おいしそうな食べ物を描いたイラストの展示会「おなかがすくアート展」が1月15日、行田市産業文化会館(行田市本丸、TEL 048-556-6371)1階アートギャラリーで始まった。
会場内の様子。行田市内で見かける温かみのあるフードイラスト。市内では風景の一部になっている
行田市在住のグラフィックデザイナー・大藤友美子さんの作品を紹介する同展。アクリル画、アート看板、ポスターなどの作品43点のほか、レイアウト案、ラフ画などを展示する。現在行田市内で見ることができるアート看板と店の紹介や、ペイントアートインストラクターとしても活動する大藤さんのステップ制アートイベント「Paint Day (ペイントデー)」の取り組みも紹介する。
以前はデジタルでのグラフィック製作が仕事の中心だったという大藤さん。コロナ禍で飲食店の厳しい状況を知り、何か自分にできることはないかと、飲食店の看板などにメニューの絵を描く「看板アート」に着目。プロに学び、デジタルから手描きアートへと製作の幅を広げた。なじみの店で試しに置かせてもらったところ、店の反響やインスタグラムの投稿から口コミで評判が広がり、行田土産「行田のぎょうざ」や市内のイベント「ぎょうだ はちまんマルシェ」、飲食店や小売店、県内外からも依頼が来るようになった。
作品はA4サイズのメニューから幅3メートルの看板までさまざま。これまで約90店のアート看板を手掛けた。大藤さんは「写真は忠実に商品そのものを表現するが、アートならビールのこんもりした泡やキリっと冷えて輝く瓶の色、ふっくらした豆の一粒一粒など、『おいしいポイント』を強調して表現できる。近くの店は実際に食べておいしさを体験しているので、思いも入っているかもしれない」とほほ笑む。
期間中、アートイベント「スイーツを描いてみよう!」(1月25日)、「ハンバーガーを描いてみよう!」(2月22日)を行う。開催時間は各日13時~15時。参加費(入場料含む)は、大人=600円、子ども=400円。大藤さんは「絵を描くことが苦手な人でも楽しめるように制作過程を小さなステップに分けて描くステップ式アートを予定している。アートを通じてリフレッシュしたり達成感を得たり、日常をポジティブに過ごすきっかけになれば」と話す。
開催時間は9時~16時30分。入場料は、大人=300円、子ども=100円。3月3日まで。2月8日休館。