絵本作家・やまぐちえみさんの絵本「かんぱいドリー」の原画展が1月5日、埼玉縣信用金庫 本店営業部(熊谷市本町)で始まった。
やまぐちさんは絵本の世界観をベースに、暮らしに物語を添える絵画制作などを手がけるイラストレーター・絵本作家。長年雑貨店に勤務しながら、人や物との出合いを通じて活動してきた。2019年に絵本制作を始め、翌年には初の絵本「はっぱのアーニー」を出版。現在は埼玉県を拠点に、原画展やワークショップを通じて「日常の中の小さな物語」を届けている。
原画展の会場は店内1階ロビーの左奥。窓際に沿って絵本「かんぱいドリー」に収録された原画12枚が並ぶ。カラフルな色彩のキャンパスが目を引く。やまぐちさんは「感じるものを自由に感じていただければ」としつつ、「印刷された本とは異なる風合い、キャンバスの凹凸や絵の具の質感、色味の違い、羊毛を使った装飾など、原画でしか見られない、装飾部分の柔らかさ、立体感も含めて楽しんでほしい」と話す。
絵本「かんぱいドリー」は、乾杯が大好きな小さな鳥・ドリーが、仲間の動物たちの「よろこび」を見つけては飛んで行き、「かんぱい!」とお祝いしていくストーリー。誕生日や記念日だけでなく、「ちょっとがんばれた日」「うまくいった小さな出来事」など、日常の中にある「ささやかな幸せ」に光を当てる。子どもが「かんぱーい」とグラスを合わせる楽しそうな姿が着想の起点。「大人のまねをして、『かんぱーい』ってうれしそう。子どもと一緒に楽しめる絵本になったらいいな」という思いを制作の軸に据えたという。「繰り返し出てくる乾杯のシーンは、読み聞かせで子どもと一緒に声を出して楽しめる。就寝前の時間を振り返りながら『今日のかんぱい』を見つけるきっかけにもなる」と話す。「忙しい日々の中でも、ちょっとしたうれしい出来事や良かったなと思えることを見つけるきっかけになれば」とも。
これまで桶川や東大宮など埼玉県内各地で原画展を開催してきたが、熊谷での開催は今回が初めて。企画した埼玉縣信用金庫本店営業部長の齋藤邦裕さんは「創業セミナーに参加していた山口さんが絵を描く活動をしていると聞いて、声をかけたのがきっかけ。ロビーに作品を並べることで、地域の人が気軽に立ち寄り、作家との出会いが生まれる場になれば」と話す。
ポストカードやペーパーウェイトなど暮らしに寄り添う作品も制作する。「絵を通じて、人がホッと一息つける時間や、心の元気を取り戻すきっかけを生み出したい。将来的には作家の展示もできる『人が集まる場所』をつくりたい」と話す。
開催時間は9時~15時。入場無料。1月30日まで。