20年間にわたり熊谷市で親しまれたチョコレート専門店「ショコラティエ アヌーク」(熊谷市筑波)がイートインスペースを拡張し、「アヌーク」として新たな一歩を踏み出して3カ月がたった。
昨年3月末でいったんのれんを下ろしたショコラティエアヌーク。以前の内装を生かしつつ、イートインスペースを拡張し、昨年12月5日に「アヌーク」として再オープンした。グレーとカーキを基調にゴールドをアクセントにしたインテリアを配置し、落ち着いた雰囲気を演出する。店主の植木昌彦さんは「駅前なのに静かな通り。一人でもゆっくり過ごせる場所」と紹介する。店舗面積は10坪。席数は、カウンター=5席、テーブル=4席。
閉店について、「老朽化で今後20年を見据えた設備投資の判断が難しくなった」と振り返る。「健康上の問題などが理由ではなく、これまで20年間お客さまに恵まれ、営業を続けて来られたことに感謝するばかり」とも。カカオをはじめとする原材料価格高騰に直面したことも大きいという。閉店を知らせるとあちこちから連絡が入り、常連を中心に来店客が押し寄せ、やむを得ず購入制限を設ける事態になったという。販売できる商品がなくなってしまい、予定日を待たず閉店した。
閉店後、旧店で取り扱っていたオレンジピールだけでも販売してほしいという常連客の声が相次いだことや、片付けの最中にまだ使える設備を目にしたことで、心が揺れたという植木さんは「もったいない。形を変えれば、もう一度ここで何かできるのではないかと考えた」と話す。
メニューは、旧店でも人気があったという濃厚なチョコレートをじっくり溶かしたチョコレートドリンク「ショコラ・ショ」(800円)に加え、新たにペルー産クリオロ種カカオニブを使った「カカオドリンク」(1,000円)を用意する。カカオドリンクについて、植木さんは「偶然の発見がヒントになり、試作を重ねて生まれたメニュー。カカオの香りをストレートに感じられるすっきりとした味わいが特徴」と説明。注文時には甘味がないことを断っているという。紅茶やコーヒーなどのドリンクにパンやケーキを組み合わせるセットも用意。トーストには自家製ジャムを添える。気温が上がり始める初春までは常温で販売できる焼き菓子を用意。夏には、チョコレートを凍らせて作る「グラスショコラ」の販売を予定する。
再オープンから3カ月を振り返り、植木さんは「閉店を知らずに訪れた人が新しい店内を見て驚いたり、毎年バレンタインシーズンに来店していたお客さまが久しぶりに足を運んでくれることもある」と話す。「今後は地元店とのコラボや、店内スペースのギャラリー貸し出しなど、地域とのつながりを広げていきたい」とも。
営業時間は12時~18時。金曜・土曜・日曜のみ営業する。