立正大学の学生が企画した美術展「君から見える世界はどんな世界?」が6月12日~14日、ニットーモール(熊谷市銀座)1階イベント広場で開催される。
主催は、立正大学社会福祉学部3年の佐久間千嘉さん。大学独自の「チャレンジ奨学生制度」を活用して企画した。同制度は、入学前の小論文と試験で各学部1人のみ選ばれる給付型奨学金制度。佐久間さんは入学前から「各地の障害者アート展を巡り、自身でも美術展を開催する」という目標を掲げていた。
佐久間さんは、物心ついた時から絵を描くことが好きで、中高時代は美術部に所属。中学校の廊下に展示されていた、自閉症の鉄道画家・福島尚さんの作品に深い影響を受けたという。社会福祉士を目指し、「好きなアートと福祉の交差点を探す中で、障害者アートに出合った」と話す。
佐久間さんは大学1年生の時、障害者アート展で厚紙と折り紙で作られた箱の作品に出合った。いくつも並んだその箱は「人にあげるために作り続けているもの」だと知り、スタッフから「作品を作ろうと思って作ったのではなく、作ったものが結果的に作品になっている」と聞いたという。
「当時は福祉を学び始めたばかりで、まだ何も分かっていなかった。この美術展も、最初は『アート展を開くので絵を描いて応募してください』と呼びかけるものだと思っていたが、あ、違うなと思った。絵を描こうと思って描いているのではなく、自己表現や他者とコミュニケーションを取るための『パーツ』として描いている。それなら私は、地域の方々に障害のある方の内面や日常の一コマを知ってもらい、もっと身近に感じてもらえるような展示にしたいと考えを改めた」と振り返る。
展示作品は約35点。「社会福祉法人みぬま福祉会 工房集」「社会福祉法人 昴(読みがな)」「NPO法人あおーら」などの福祉施設・団体の協力を得て、浦和レッズやファッションブランドとのコラボレーション作品をはじめ、水彩画、ボールペン画、刺しゅうとビーズを使った作品などが並ぶ。各作品には、佐久間さんが自ら取材してまとめた解説文を添え、来場者に作品の背景にある思いや暮らしぶりが伝わるよう工夫した。
これまで、学業や実習と並行して、施設への依頼から作品の借用交渉、運送手配、当日のパネル準備、運営スタッフ募集などを進めてきた。「作品には、その人の見ている世界や日常が込められている。障害者アート展は普段の生活とは離れたものだと思われがちだが、感動を押しつける展示ではなく、一人一人の世界が違うということを作品から感じてもらえたら。そして、自分自身の世界を見つめるきっかけになれば」と笑顔を見せる。
開催時間は10時~18時(最終日は16時まで)。入場無料。