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熊谷の通級指導教室で17歳の料理人お菓子作り体験授業 母校で指導

授業でチョコチップマフィンを作る生徒と講師の服部奨真さん

授業でチョコチップマフィンを作る生徒と講師の服部奨真さん

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 熊谷市立富士見中学校(熊谷市中央3)で5月16日、卒業生を講師に招き通級指導教室の生徒を対象に菓子作り教室が行われた。

居酒屋 八蔵の新名物プリン「はちぷり」を手にする服部奨真さん

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 通級指導教室とは比較的障がいの程度が軽い生徒が通常の学級に在籍しながら個人の特性に合った個別の指導を受けるための教室のこと。熊谷市内には同校のほか、妻沼東中学校と三尻中学校の3校に設置されている。生徒は学習面や生活面、対人関係などの課題について、個別に指導を受けることができる。教材も個々の苦手部分や困り事の状態に応じて選定され、自立のための活動や教科の補充学習といった指導を受け、改善した時点で終了。通常の学級に戻っていくという。

 「農業高校への進学を希望する生徒が多いクラスでは、料理やお菓子作りの授業に人気がある」と話すのは板倉伸夫教頭。「本物に触れることが大切。プロから直接学べる授業は、生徒の学ぶ姿勢もモチベーションも高い」と考え、今回のプロに学ぶ菓子作り教室が実現した。

講師は同校の卒業生で、地元の飲食店で働く服部奨真さん。13歳から店を手伝い、主にデザートを担当している同店の2代目。17歳になった今、店の名物にもなっているプリン「はちぷり」やシフォンケーキを作るプロの料理人だ。

 参加した生徒は6人。2人ずつチームになって「チョコチップマフィン」作りに挑戦した。生徒らは服部さんの言葉に耳を傾け、一生懸命に手を動かし、チームで話し合いながらマフィンを完成させた。自分で食べる分のほか、日頃からお世話になっている先生方へのお礼も兼ねて、たくさんのカップケーキを焼き、メッセージカードを添えてプレゼントした。

 同教室担当の三富貴子教諭は「ここに来る生徒の多くは、心のコップが空っぽの状態になっている。ここで好きなこと、得意なことを見つけて、コップにいっぱいエネルギーをためてから戻っていく。諦めずに夢を実現するための場所になれたら」と話す。

 マフィン作りを頑張った生徒には、服部さんからご褒美の「はちぷり」が振る舞われ、みんなおいしそうに頬張っていた。

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