深谷の利根川(深谷市中瀬)で2月18日、対象地区に住む家族など約500人が参加し、自宅で育てたサケの稚魚を放流するイベントが開かれた。
生物研究学習事業として毎年行われ14回目を迎えた今回。主催は深谷公民館、社会福祉協議会深谷支会、深谷地区青少年健在育成会。
放流されたのは、昨年の12月に希望する300世帯に卵で配布され、各家庭で育てられたものと、公民館で育てた約1000匹を加えた数千匹のサケの稚魚。
放流前には、参加者同士が持ち寄った稚魚を比べ、育てる環境による大きさの違いなどを話題にコミュニケーションを図ったり、育てた稚魚との別れを惜しんだりする家族らの姿もあった。近くには「おおきくなってかえってきてね」と書かれたメッセージボードが用意され、思い思いにサケへのメッセージを書いて貼った。
「大きくなって戻ってこいよー!」の掛け声とともに、次々に利根川に放流され、放流後は温かい豚汁が振る舞われたほか、子どもたちを対象としたゲームなども実施された。
「サケを卵からかえして、家族で協力して育ててもらうことで家族の絆が生まれ、これをきっかけにサケなどの生物に興味を持ってもらえれば」と同公民館の大木館長。参加した男性のひとりは「放したサケが戻ってくるのが毎年楽しみ。今日は特に寒かったが、子どもたちも楽しめたし、豚汁は格別だった」と話していた。
放されたサケは10月から12月にかけ、利根川に合流している市内の川にも遡上しているのが目撃されており、年々放流に対する関心は高まっているという。