不動岡高校の2年生による「チームごかぼー」が1月24日、加須児童館(加須市東栄)で埼玉県の魚「ムサシトミヨ」のPRイベント行った。
「チームごかぼー」は、校内で「チーズ大福」を販売し、ムサシトミヨを紹介するPR活動も展開
ムサシトミヨは、体長3.5~6cmの小さな淡水魚。冷たい湧き水を好み、現在は世界で唯一、元荒川(熊谷市)で生息が確認されている。1964(昭和39)年の東京オリンピックに伴う開発により生息地が減少し、絶滅危惧種に指定されている。熊谷市内では、一部小中学校で校内に人工池を設置して保護活動を行っている。その卒業生もいる同チームのメンバーが「熊谷市内での認知度は高まっているが、市外にはまだ知られていないのでは。県の魚、ムサシトミヨの現状を知ってもらい、保護活動を継続して次世代にも伝えたい」と、高校のある加須市地域の小学生を対象にPRイベントを企画した。
児童館に集まった小学生に、手作りの図鑑でムサシトミヨの生態や保護の重要性を分かりやすく伝え、手作りクイズや進化じゃんけんなどゲーム要素を取り入れ児童の興味を引いた。小学生からは「知らなかった魚についてたくさん学べて楽しかった」「もっと図鑑を見てみたい」という声が上がった。図鑑は児童館に寄贈した。
メンバーの生徒は「最初は難しい内容で子どもたちが興味を持ってくれるか心配だったが、みんな意欲的に参加してくれて、細かい特徴まで覚えてくれた。とてもうれしい」「ムサシトミヨが埼玉県だけでなく全国的にも知られるようになれば、保護活動にも弾みが付くと思う」「授業の活動は2024年度限りだが、持続可能な方法で次の世代も継続して保護活動に興味を持ってもらえるよう、PRを広げていきたい」と話す。
2年の授業「地域課題研究」から派生したチームごかぼー。これまでに、ムサシトミヨを水槽展示する「さいたま水族館」や保護団体「熊谷市ムサシトミヨをまもる会」への取材を重ねて現状を把握し、学校内で「チーズ大福」を販売して一緒にムサシトミヨを紹介するPR活動を展開。アンケート調査では、PR活動前後で認知度の向上が確認されたという。
チームは現在、羽生駅にポスターを掲示する計画を立てている。「東武伊勢崎線と秩父鉄道の秩父本線が乗り入れ、乗降客も多い羽生駅で、より多くの人にムサシトミヨを知ってもらいたい」と意気込む。