行田市が2月5日、NTT東日本と「下水道管路のDXに関する連携協定」を締結した。
行田市が2月5日、NTT東日本と「下水道管路のDXに関する連携協定」を締結した
人が立ち入りにくい下水道や配水管など、閉鎖空間・暗所の点検を、より安全で効率的に行う「ドローンによる管路内データ収集」と、「収集データのAI解析」、点検結果をGIS台帳と連携し、地図上での点検データの一元管理や点検票の自動作成を行う「下水道プラットフォームによる報告作業の効率化」を組み合わせる。省人化・無人化を図り、下水道点検の安全性確保、点検業務の効率化と予防保全型維持管理の実現性を検証する。
連携協定期間は2026年度末までの約1年2カ月。実証対象区間は、設置から30年以上経過し、管径2メートル以上の区間約3.8キロ。既に、昨年12月中旬にドローンによる撮影を完了し、今後はAIによる画像解析と台帳化、データの一元管理へ進める。行田市下水道課によると、市内の公共下水道管路は約260キロあり、このうち、昨年1月の八潮市道路陥没事故を受け、全国の自治体に出された「下水道管路の全国特別重点調査の優先実施箇所」に基づく、経過年数30年以上かつ管径2メートル以上の区間は約4キロ。市内「緑町ポンプ場」に流入する佐間幹線、長野幹線。この他に管径2メートル以上の管路はないという。
行田市の行田(こうだ)邦子市長はあいさつで、昨年8月に市内の下水道管路清掃作業中に従業員4人が亡くなった事故に触れ、「このような悲惨な事故を二度と起こさないよう、安全管理をこれまで以上に徹底するとともに、人の手によらない点検作業ができないか模索してきた。今回の提案で、人が管内に入らずに点検できる仕組みが現実味を帯びた。事故が起きないインフラメンテナンスの社会を目指し、市民の安全・安心につなげたい」と話す。
NTT東日本の小池哲哉埼玉事業部長は「痛ましい事故を風化させず、同様の事故が他地域でも起こり得るという認識の下、通信インフラの運用保守で培った技術とDXの知見を掛け合わせ、危険な場所に人を近づけない点検と業務効率化、持続性を実現したい」と話す。「今回の取り組みは単なる技術実証ではなく、運用として定着するまで伴走するのが特徴。行田発の新たなモデルとして全国に展開しうるユースケースに育てたい」とも。
行田市都市整備部の高橋栄一部長は「技術者不足が進む中でドローンなどICT・機械化の活用が不可欠。今回の協定を通じて、危険と隣り合わせだった下水道点検をより安全で効率的なものに変え、市内の下水道管路の維持管理に生かしていきたい」と話す。