若者のための街の保健室「たんぽぽユースクリニック」が4月6日、子育て支援・保健拠点施設「くまキッズ」(熊谷市石原、TEL 048-580-4937)で開催された。
来場者が自由に手に取って見ることができる。避妊グッズやさまざまな生理用品などを並べた展示コーナー
4月1日に開業した熊谷市の新施設「くまキッズ」に合わせたオープニングウイーク企画で、若者が性やからだ、こころに関する悩みを気軽に相談できる場づくりを目的としている。会場の「こども館」2階ロビーには、こころ、からだ、いのちや権利に関する本、パンフレット、性教育の本、避妊に関するグッズやさまざまな生理用品などを並べた展示コーナーで来場者が自由に手に取って見ることができる。避妊具や生理用品のケースをデコレーションするワークショップ、案内する保健師や助産師など専門スタッフが相談に応じ、気軽に話せる環境を心がける。春休み期間となった当日は小学生や未就学児の親子も訪れ、絵本を読んだりシールを貼ったりする様子が見られた。
ユースクリニックは、「こころのこと、からだのこと、性のこと、自分のこと、友だちのこと、大切な人のこと」など、性別問わずさまざまなテーマの展示や自由に見られる資料に触れながら、専門職に相談できる場所。「たんぽぽユースクリニック」では、若者が性やからだ、こころのことを予約なし、無料、匿名で気軽に専門家に相談できる機会を提供し、産婦人科医・保健師・助産師・看護師・薬剤師など専門的知識を持った同研究会の会員がボランティアで対応している。これまでも川越市、所沢市、本庄市、熊谷市で毎月開催してきた。
6日にトークショーを行った産婦人科医の高橋幸子さんは、日本の学習指導要領では高校まで「性行為は無いもの」として扱われ、子どもが知りたい時に正面から答えられる大人が不足していると指摘。若者が性やからだのことを「知りたい」と思った時に、正しい情報と相談先にたどり着ける環境の大切さを伝えた。13歳で性暴力により妊娠した少女が中絶という選択肢を知らなかった事例を挙げて、「知識はお守り」と強調。「若者たちが『親にだけは言えない』と言う時、私たち大人が何をしてあげられるのか考えなければならない」と訴えた。「どんなにちゃんと避妊していても、思いがけない妊娠が起こることがある。その上で、親や学校だけで抱え込まず、ユースクリニックのような第三の相談先を地域に整え、若者がSOSを出せる社会をつくる必要がある」とも。
高橋さんは「診察や検査の場ではなく、若者が『ここならちょっと聞いてみようかな』と思える入り口になることを大事にしている」と話す。「たんぽぽユースクリニック」を運営する一般社団法人「彩の国思春期研究会」の木村環さんは「くまキッズは、遊び場や子育て支援、保健の機能が一体となった場所だからこそ、いろいろな人とつながりながらユースクリニックを続けていける」と話し、学校や地域、医療機関と連携した継続的な取り組みに意欲を見せる。