鴻巣市のシード鴻巣研究所が4月2日、入社式に伴い恒例の「盲導犬歩行体験」を行った。
コンタクトで知られる同社は目の専門総合メーカー。「お客さまの『見える』をサポートする」を企業ビジョンに掲げ、見えないことへの理解と見えることの大切さを学んでもらうことを目的に新入社員の盲導犬歩行体験を行っている。社会人として「かばわれる側」から「社会を支える側」になるというセレモニーを含め、昨年に引き続き入社式当日に実施した。
新入社員68人は、全盲の大胡田誠弁護士による講演を聞き、視覚障がい者との接し方を学んだ後、屋外に出て障害物を避けて歩く訓練に挑んだ。
一人ずつアイマスクを着け、アイメイト(盲導犬)と共に実際の道路を想定して自転車や工事現場のパイロンなどを配置した場所を歩く。アイマスクを着けて歩く経験は初めてという新入社員も多く、傍らに立つアイメイト協会職員からアドバイスを受けながら足を進めた。
新入社員の井林洋太さんは「思っていたよりもアイメイトが速くて驚いた。ハーネスの向きでどちらに進もうとしているのかが分かる」と話す。「学生時代、通学途中で視覚障がいのある人を見掛けても声を掛けることができなかったが、今日実際に体験し知識を得ることができた。今後どこかで困っている方を見たら行動したい」とも。
同じく新入社員の吉田雪乃さんは「見えないことが不安で、アイメイトに引っ張られる感覚だったが、思っていたよりも分かりやすいと感じた。ロールプレーイングで、まず自分から声を掛けることや、どうしたら相手に伝わりやすいかなどを学んだので、ちゅうちょせず話し掛けたい」と話した。