第5回埼玉建築文化賞の授賞式が6月13日、大宮ソニックシティ(大宮区桜木町)で開催された。
埼玉県建築文化賞は、地域の特性を生かし、かつ景観的にも機能的にも優れ、文化を伝える快適なまちづくりの発展に貢献する建築物を表彰するもので、埼玉建築士会が2013年度から実施している。
「専用住宅部門」「併用住宅部門」「共同住宅部門」「事務所・店舗部門」「教育福祉施設部門」、「コミュニティ施設部門」の6部門があり、それぞれで最優秀賞、優秀賞、奨励賞を選出。熊谷市の建築士、山岸光信さんが「併用住宅部門」で最優秀賞を受賞した。
応募した作品名は「クラノイエ」。山岸さんの自宅兼事務所で、外観は蔵をイメージさせるしっくい風の塗り壁に焼き杉が張られ、白と黒のコントラストが和モダンな建築物。こだわりの枯れ山水には、白川砂や三波石が使われている。
山岸さんは「かつてこの辺りは蔵の多い地域だった。時代とともに減ってしまった蔵を地域に残したい思いでクラノイエを作った。日本の建物の良さや地域の文化を次世代に残していきたい」と話した。