キャンドルをともして東日本大震災の犠牲者を悼み、被災地の復興を願う「3.11きずなキャンドル2021」が3月11日、東松山市役所(東松山市松葉町)の前庭で行われた。
東松山市と宮城県東松島市は、「山」と「島」漢字一文字違いという縁で、東日本大震災直後から支援物資の提供や市職員の派遣、ボランティアツアーなど行い支援や交流を続けてきた。2011(平成23)年に災害相互応援協定を、2015(平成27)年には友好都市盟約を結び官民で交流し絆を深めている。2019(令和元)年に台風19号の際は、東松島市からブルーシートや土のう袋、スコップ、避難所用品など支援物資と共に職員らが応援に駆け付けた。
「3.11きずなキャンドル」は震災の翌年2012年から始まり、年々規模を広げ被災地への思いを語り継いできた。2020年は台風被害と新型コロナウイルス感染症の影響で実施せず、今年も状況を見て準備していたが、震災から10年を迎える節目の年として、規模を縮小しコロナ対策を取りながら行うことにしたという。
夕暮れ時の市役所前庭に「あの日を決して忘れず、心を一つに」「生きる」「いっしょにまえへ みんなのえがおがひろがっていく」(以上、原文ママ)などメッセージ入りのキャンドルを並べたキャンドルタワーと「KIZUNA3.11」の文字が浮かび上がった。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため市民参加は呼び掛けず、集った市職員らおよそ200人が1分間の黙祷をささげ、ゆらめく明かりを見守った。居合わせた市民らが立ち止まり静かに見守る姿もあった。東松島市災害派遣職員として東松島市で復興支援に従事した危機管理課被災者生活再建支援室の内田幸雄室長は「現地ではインフラの復興はだいぶ進んだが、心の復興はまだ時間が必要とも言われている。あの日を忘れず、友好都市東松島市に想いを巡らす機会となればと思う」と話した。
同市では今月1日から市役所1階の市民ホールでパネル展示「東日本大震災10年東松島市友好のあゆみ」を開催。東松島市の復興状況、ボランティアツアーやバスツアー、祭りやスリーデーマーチなど東松山市と東松島市のこれまでの交流の様子をパネルで並べ、子どもたちへ鎮魂のプロジェクト「青いこいのぼりプロジェクト」の紹介している。
展示は12日まで。「きずなキャンドル」の様子は同市公式ページでも紹介する。