行田のたい焼き専門店「たい焼き処 分福屋 厚之助」(行田市佐間)が、たい焼きの中身を減らすとツイートし話題になっている。
同店のツイッターアカウント「たいやきの分福屋(@tenjingouitsu)」が8月24日にツイートした投稿には「正直にいいます」と赤文字から始まり、中身の「あんこ」について、利益がなく店が潰れそうなため「へらします。ゆるしてください。」と書いたメモの画像と、「みんな、すまねえ!!どうか、リツイートにチカラをかしてください」(原文ママ)のテキストメッセージがあった。ツイートは8月26日正午現在、2万4000のリツイート、5万8000以上のいいねが寄せられている。
店主の橋本純也さんが「今までどんぶり勘定でたっぷり入れていた」という、たい焼きの「あんこ」は北海道十勝産。「ふと利益がなく、このままでは店が続けられなくなるかもしれないと気付いたが、自分も大好きな『あんこ』はたっぷり入れたいと思い悩んだ。苦渋の決断で量を減らすことを決め、とにかくお客さまにお知らせしなければとメッセージを書いた」とツイートの経緯を明かす。
顧客向けの「お知らせ」だったが、瞬く間にいいねとリツイートが増え、「正直すぎステキ」「許しますとも」「潔い、頑張ってお店を続けて欲しい」「お店が存続できますように」と応援する引用リツイートや「実はあんこ少なめも好き」「今度、あんこ全抜き焼いてください」(以上、原文ママ)と新たな提案を寄せる返信もあった。反響を受けて、橋本さんは「言葉が出ないほどに、たくさんの方がいいねやリツイートをしてくださってありがたい」と話す。「同じような悩みを抱えている他店の方や世の中も良い方向へ向かったらうれしい」とも。
2019年に「アピタ吹上店」(鴻巣市)閉店に伴い移転オープンした同店。メニューは定番のつぶあん、こしあん、クリームのほか、平日限定、季節限定商品も用意。価格は1つ220円。注文を受けてから焼きたてを提供する。焼き上がりまでは約6分。店内外にびっしり貼られた手書きのメッセージや近隣店の紹介ボード、「お客さまノート」など、焼き上がるまでの時間ももてなす工夫があり、商品を手渡す袋には手書きのメッセージを添える。「目の前のお客さまに喜んでもらおうと、それだけを考えてやってきた」と橋本さん。「当店に関わってくださる全ての方に心から感謝したい」と笑顔を見せる。
営業時間は11時~16時40分。月曜・火曜定休。