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深谷に絵本専門店「木いちご館」 絵本の魅力広げ、カフェメニューも

「野ばらの村のピクニック」を手にする遠田さん。店名に「根っこでつながってどんどん増える木いちごのように、たくさんの人とつながってすてきな絵本を手渡していきたい」という思いを込めた

「野ばらの村のピクニック」を手にする遠田さん。店名に「根っこでつながってどんどん増える木いちごのように、たくさんの人とつながってすてきな絵本を手渡していきたい」という思いを込めた

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 絵本専門店「木いちご館」(深谷市上野台、TEL 048-580-5015)が4月18日、深谷ビッグタートル近くの住宅地にオープンした。

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 保育士として40年以上保育現場で働き、12年間園長を務めた遠田えりさんが開いた絵本専門店。

 若い時は、絵本専門店で仕入れた本を保護者や保育士に紹介して喜ばれていた遠田さん。自分の子どもが大きくなり園長職が忙しくなると絵本から遠ざかっていたという。その頃、深谷と熊谷にあった絵本専門店が相次いで閉店。「近くに書店はあっても絵本コーナーは小さい。県南部や群馬県に行かなくても多彩な絵本に出会える専門店を埼玉県北にもつくりたい」と、クラウドファンディングで保育関係者や知人、絵本ファンから支援を集め、建設会社の経営難などを乗り越えてオープンにこぎ着けた。

 店舗面積は約100平方メートル。店内はカウンターを挟んで「絵本コーナー」「カフェコーナー」に分かれている。絵本コーナーは、国内外の作品1000冊以上をそろえ、壁側は入口から奥に向かって古い作品から年代順にレイアウト。季節や各年齢に合わせたおすすめコーナーの他「平和」「人権」などの特集コーナーを設ける。

 「カフェコーナー」のメニューは、2種類の豆から選んでもらう「コーヒー」、ポットで提供する「紅茶」「そば茶」「ほうじ茶」や「りんごジュース」、「りんごミルク」(以上300円)、「りんごジュースのみ比べ」(400円)など。全てのドリンクメニューに小さな菓子が付く。飲みながら絵本を楽しむことができるようにした。

 遠田さんは「絵本の好きな人が大勢来てくれ、絵本の魅力を共有している。土曜・日曜は半日ずつボランティアスタッフに依頼して、お母さんがじっくり本を選べるよう小さいお子さんを見てもらっている」と話す。

 目を引く手描きのポップは客が書いた。遠田さんは「お客さんに好きな作家、作品を思う気持ちを描いてもらっている。秩父地域で読み聞かせボランティアをしている人が、読んだ時の子どもたちの反応を書いてくれた。気が付かなかった魅力の意外な発見がある」と話す。

 近所から訪れたという客の一人は「店が完成していくのを楽しみに見ていた。子どもの保育体験に行くので、その時に読む本を探しに来た」と話す。 オープンを心待ちにしていたという。読み聞かせボランティアをしているという市内在住の女性は「遠田さんのことは前から知っていたが、開店以来、遠田さんとよく話をするようになった。絵本を中心に人の輪が広がっていくのが楽しい」と笑顔を見せる。

 営業時間は10~18時。火曜・水曜定休。

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