「渋沢栄一 青天を衝(つ)け 深谷大河ドラマ館」が(深谷市仲町)が1月10日、閉館した。
セレモニーの最後にはテーマ曲「青天を衝け」をBGMに花火が打ち上げられ、会場が歓声と拍手に包まれた
2021年2月16日、大河ドラマの初回放送回に合わせてオープンした同館。深谷生涯学習センター・深谷公民館の1階に、渋沢栄一の生家「中ん家」のドラマ撮影セットを再現。約1年間にわたり、撮影で使った衣装や小道具、メーキング映像などを展示した。
オープンから20日間で来場者1万人、昨年11月に来場者10万人を達成した。期間中、年末年始も休みなく329日間来場者を迎え入れ、来場者数の最終集計は深谷市の人口を超える14万4395人だった。
閉館日のこの日は過去最多の2530人が来場。屋外イベント広場では、渋沢栄一翁ゆかりの自治体によるPRブース出店、深谷市の郷土料理「煮ぼうとう」販売、深谷市イメージキャラクター「ふっかちゃん」と東京北区渋沢プロジェクト公式キャラクター「しぶさわくん」とのじゃんけん大会なども行われた。特設ステージではドラマに登場した「血洗島獅子舞」が披露され、会場では大きな拍手が送られた。
日が沈むころ始まった閉館セレモニーにはドラマ制作統括の菓子浩さんも駆け付け、「これだけ大勢の方が集まってくれて、大河ドラマとドラマ館が皆さんに愛されていると感じてうれしい」と閉館を惜しんだ。同館関係者、小島進深谷市長、大河ドラマ以前から地元を盛り上げようとボランティアでイベント出演している「渋沢栄一そっくりさん」3兄弟、「ふっかちゃん」、「しぶさわくん」も参加してセレモニーを盛り上げ、1年を振り返った。セレモニーの最後にはテーマ曲「青天を衝け」のBGMで花火が打ち上げられ、会場が歓声と拍手に包まれた。
「深谷大河ドラマ館」ツイッター公式アカウントには、「涙が止まりません。1年間、皆様お疲れでした」「BGMを聴くと無条件に涙が出てきて、今も泣けちゃうんですが」「めっちゃ青天ロス」「ありがとう青天。本編は終わってしまっても、これからも何度も観るよ」「青天には平和への願いが込められてるところが好きです。一年間ありがとうございました」など閉館を惜しむ声が集まった(以上、原文ママ)。
大河ドラマ館前にキッチンカーを出店し、渋沢栄一翁の顔が浮き出る「渋沢栄一カフェオレ」を販売した「カフェ花見」(仲町、TEL 048-571-0528)の岡村和夫さんは「新型コロナ禍だったこともあり、時には来場者が少なく寂しい日もあったが、最終日にこんなにも大勢の人々が集まってくれてよかった。閉館は寂しいが2024年の新一万円札もこれから。地域でこの盛り上がりを引き継いでいきたい」と話す。
市内在住の夫婦は「今日で4回目、リニューアルごとに見に来た。閉館は寂しい」「地元にいても意外と渋沢栄一翁のことを知らなかった。ドラマを通じて知り、ドラマ館で見て、さらに深く知りたいと興味がわいて本も読んだ。1年間有意義で楽しかった。(新たに始まった大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は)また地元にゆかりのある(畠山)重忠公が出るので楽しみ」と笑顔を見せる。