熊谷市の特産品を生かした「ニューフライ」の試食会「これ、フライなん?そうなん。」が1月12日、熊谷スポーツホテルパークウイング(熊谷市上川上)で行われた。
「フライ」は小麦粉を水で溶き、野菜や肉などを交ぜて薄く焼いた熊谷周辺地域の食べ物。全国有数の小麦生産地として知られる熊谷市で、うどんの食文化と共におやつや軽い昼食に、地元民のソウルフードとして昔から親しまれている。
市内の印刷会社ピーアイピー(筑波)の植竹知子社長が「ラグビー観戦で熊谷を訪れた人が地元の人とコミュニケーションが生まれないまま帰ってしまうのはもったいない。市民や商店が参加し、スポーツ観光を通じて街を活性化したい。地域の小麦を生かしたオリジナル『ニューフライ』を提案して市民にも他の地域の人たちにも楽しんでもらいたい」と企画。市の個店連携応援事業として取り組む。
オリジナル「ニューフライ」の条件は、埼玉県産の地粉「さとのそら」を50%以上配合した、今までとは異なる「フライ」であること。市内の飲食店に呼び掛けたところ19店舗がエントリーした。市産業振興部職員や観光協会スタッフなど関係者21人を招き、「おいしさ」「オリジナル性」「見た目」「テークアウトの工夫」の項目でアンケートを行った。
当日会場に出品されたフライは、野菜の色を使ったカラフルなもの、小麦粉と米粉を配合してもっちり食感を出したもの、竹炭を使った黒いもの、生地にアーモンドダイスを加えて洋風にし、フルーツとホイップクリームを添えてデザートに仕上げたものなど。各店が自慢のメニューを取り入れるなど特徴を出し、多種多様の「オリジナルフライ」が並んだ。試食した人からは「アイデアに富んでいて味も見た目もいい」「フライといえばソース味かしょうゆ味だけど、みそ味や塩味、カレー味の変わった味も楽しい」などと感想があった。
植竹社長は「発表したメニューは、2月から各店舗で販売する予定。販売方法や価格は『TOWN NEWS NAOZANE』2月号に掲載する。ニューフライマップも作製予定」と話す。「『ラグビータウンくまがや』に新しい名産品『ニューフライ』を普及させて、令和のファストフードにしたい。コロナでダメージを受けた飲食店の活性化にもつなげられれば。ラグビー場で片手にビール、片手に『ニューフライ』の観戦姿が見られることを夢見ている」と笑顔を見せる。