洋菓子店「Pâtisserie note(パティスリーノート)」(熊谷市妻沼)が熊谷妻沼の国宝「妻沼聖天山」境内にオープンして1カ月を迎える。
店主の高橋佑弥さんは妻沼出身。製菓学校卒業後、県内外の店で経験を積んだ。「熊谷で店を出したい」と物件を探したところ、子どもの頃に遊んでいた、なじみのある「聖天さま」境内の空き店舗に巡り合い出店を決めた。店名は「身近にあるもので、白紙に自由な表現ができる=ノートブック」のイメージで、覚えやすく呼びやすい「ノート」と付け、A看板は自身でデザインした。非日常空間を意識したという白を基調として明るくすっきりした店内は、入り口正面に「特に得意」という焼き菓子を並べ、隣に生菓子のショーケースを設置。店内からガラス越しに厨房の様子がうかがえる。
生菓子のメニューは、近くの自家焙煎(ばいせん)ほうじ茶専門店「焦がし屋武一」(妻沼)とコラボした「ほうじ茶クレームブリュレ」をはじめ、「イチゴショート」、「ベイクドチーズケーキ」、「モンブラン」、「キャラメル洋梨」など。焼き菓子は、「カヌレ」、「マドレーヌ」、「フィナンシェ」、「キタノカオリサブレ」「黒糖サブレ」、「メレンゲ黒豆きな粉」、「マカロンショコラ」など8~9種。「バターケーキ」、「国産レモンパウンド」のほか、ギフト用の詰め合わせも用意する。土日限定でバゲット、クロワッサンなどのパンを販売。誕生日ケーキは予約で注文を受け付ける。
菓子作りで特にこだわる原材料は、北海道産全粒粉「キタノカオリ」、道産の発酵バター「ブリーズ・ドゥ・メール」、兵庫県の丹波黒豆きな粉、沖縄県波照間島の黒糖ほか、広島産レモンなど、旅行好きの高橋さんが各地を巡り、食べて納得した素材を取り寄せて使う。「自分の中に素材の引き出しをたくさん持っている。取り入れながら商品の種類を増やしていく。添加物ゼロの菓子を手頃な価格で提供していけるよう努めたい」と高橋さん。「フランス菓子の技術を踏襲しつつ自由な発想でやっていければ」とも。
同店は「熊谷市空き店舗等活用支援事業」の妻沼エリア12店舗目。サポートした「くまがや市商工会」の小川恵司経営支援員は「近隣の住民も商店主たちも開店を楽しみにしていた。オープンから1カ月近く、本当に多くのお客さまが訪れている。新店オープンで街全体が活気づき盛り上がりを感じている」と笑顔を見せる。
営業時間は10時30分~18時。月曜、第1・第3火曜定休。