世界中のポリオ根絶を目指す「ポリオ根絶SLジャックプロジェクト」が10月16日、熊谷駅出発で行われた。主催は国際ロータリー第2570地区。
秩父鉄道SLバイオエクスプレスの一部車両を貸し切り、参加者に熊谷から秩父までの旅を楽しんでもらおうと企画した同プロジェクト。国際ロータリーが1985(昭和60)年から取り組む「ポリオ根絶」を訴える活動の一環。埼玉県西北部の50クラブによる同地区の村田貴紀ガバナーが発案した。
当日は羽生市の児童養護施設の子どもや家族連れなど40人を招待し、合計150人が参加した。子どもたちは「SLに乗るのは初めてでとても楽しみ。近くで見るとかっこいい」と笑顔で乗り込んでいた。
ウイルスにより手足に急性まひが現れる「ポリオ(急性灰白髄炎)」はワクチンで予防可能な疾患。同団体は、ワクチンを作った医学者ジョナスソークの誕生日にちなみ設定された今月24日の「世界ポリオデー」に合わせて、各地でポリオの啓発、ワクチン接種事業のための募金呼びかけなどを行っている。
駅コンコースで行われた出発式には、村田ガバナーをはじめ、江崎浩史財団統括委員長、ポリオプラス委員会の中島理恵子委員長、高柳育行ポリオ根絶コーディネーター、日向美津江財団委員、小林哲也熊谷市長など、関係者と一部の参加者が出席した。
中島委員長は「日本はワクチン接種が進んでいるため現在は発生していないが、世界にはまだポリオウイルスがいる状況。人類の手でポリオを地球上からなくして、次世代の人たちが、より元気に世界を守っていけるようにしたい」と話す。
小林市長は「世界の貧困も含めてポリオの根絶は取り組まなくてはならない問題と考えている。SLの旅でまずはコロナ禍の休日を楽しんでいただき、その上でポリオ根絶への思いを発信していただけると期待している」と話す。