まちの薬局や郵便局、銀行などを会場に、レトロな雑貨を展示する企画「街かどギャラリーコレクション展」が現在、行田市内で開かれている。
年賀状の季節に合わせてポストカードなどを展示する行田駅前郵便局
行田市在住の栗原喜文さんが、所有する2万点以上のレトロコレクションの中からより抜いて展示。「街が元気に市民が笑顔になれば」と2004(平成16)年に初開催した。市内の洋菓子店や酒店、銀行などに声をかけて店舗の一角を使わせてもらい、定期開催している。11月1日から始まった今季の展示で215回目を迎えた。
今季の会場はミキ薬局埼玉行田店(行田市佐間)、花のこいけ園芸(行田)、行田駅前郵便局(壱里山町)、武蔵野銀行 行田支店(行田)、くりやラーメン(押上町)、古田整形外科医院(緑町)、行田市商工センター(忍)、マクドナルド17号吹上店(鴻巣市北新宿)の8カ所。
展示するのは大正・昭和の映画ポスターや絵本、写真、版画、イラスト画、絵封筒、薬袋、切手、レトロ玩具、人形、ポストカードなどジャンルはさまざま。会場に合わせて展示内容を考えているという。栗原さんは「なんでもコレクター。少年時代からアンティーク収集が趣味だった。展示を見てもらい、皆さんに笑顔に元気になってもらえれば」とほほ笑む。
会場の一つ、ミキ薬局埼玉行田店の高さ2メートル60センチ、横幅4メートルのギャラリーボードには、「珈琲(コーヒー)物語」と題して、缶コーヒー「GEORGIA」の歴代デザイン缶や販促グッズ、ポスターなど約200点が並ぶ。店長の加部愛子さんによると、以前は医薬品や衛生用品などを販売するための棚として使っていたが、来店客に待ち時間を有意義に過ごしてもらおうと趣味の作品や地域サークルの制作物などを募り並べるようになったという。
武蔵野銀行 行田支店には「クスリ袋いろいろ展」と題して古い薬袋や薬売りの道具など約100点、行田駅前郵便局には年賀状やポストカードなどを約50点展示。訪れる人が待ち時間に眺めたり、展示を見に来た人が店に初来店するきっかけになったりと相乗効果も狙う。栗原さんは「コレクションを眺めてもらうことでほっとする時間を持ってもらいたい」と話す。
当面は展示を継続する。三木薬局埼玉行田店は11月30日まで。武蔵野銀行 行田支店、行田駅前郵便局は12月28日まで。