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行田・レトロ自販機「鉄剣タロー」閉店 惜しむ客、途切れず

臨時休業したまま閉店となった31日。店内入口には「お客様へ」とメッセージが貼りだされた

臨時休業したまま閉店となった31日。店内入口には「お客様へ」とメッセージが貼りだされた

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 埼玉県行田市の国道17号熊谷バイパス沿いにあるオートレストラン「鉄剣タロー」(行田市下忍)が5月31日、閉店した。

車止めにもかかわらず訪れる人々

 1988(昭和63)年の開業以来、自動販売機による食品販売、食事ができる設備、ゲーム機を備え24時間年中無休で営業してきた。新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言を受け4月から臨時休業していたが、感染予防に不安が残るとして営業再開ではなく閉店となった。

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 昭和の時代にバイパス沿いに点在していたオートレストラン。2015年ごろには「レトロ自販機ブーム」もあり、長距離ドライバーやライダーをはじめ県内外から来店客があった。週末や連休は多いときは1台の自販機につき100個以上売り上げたこともあったという。

 前日にテレビで閉店予定と放送され、瞬く間に情報が広がった。ツイッターでも「レトロ自販機知るきっかけになった場所だった」「ここのチーズバーガーが大好きでした」「学生時代の思い出が詰まってる」「またひとつ、昭和が消えてゆく」「これは残すべき、実に残念」「色々な出会いを作ってくれてありがとうございました」(以上、原文ママ)などのツイートが集まった。

 31日は臨時休業のまま店内を開くことなく閉店。駐車場入り口には車止めが設置され、店内入口の扉には「お客様へ」と店主直筆のあいさつ文が貼り出された。文面には臨時休業以降、再開を待ち望んでくれていた客へ向け、緊急事態宣言が解除になったとはいえ収束するのか先が見えない状況で感染予防が管理できないこと、閉店せざるを得ないことになり申し訳ない、「今までの多くのお客さまにご支援いただき本当に感謝しております、ご愛顧いただきありがとうございました」とつづる。

 朝から閉店を惜しむ人が途切れず、写真を撮ったり、ノートにメッセージを書いたり、店内をのぞいたりしている姿が見られた。閉店を知り駆け付けたという男性は「初めてのドライブで立ち寄った場所だった。花の種をもらって帰った思い出がある」と懐かしそうに話し、県外から度々訪れていたというライダーの男性2人は「初めてそばとうどんの自販機を体験した。レトロ自販機の聖地と呼ばれるこの場所が好きだった」「無くなってしまうなんて寂しい」と話した。当日「鉄剣タロー」の名入りステッカーを販売したおもちゃリサイクルショップ「ロケットトイズ」(桜町)には開店前からステッカーを求める客が集まり、開店と同時に80枚が完売した。

 32年の営業を振り返り、店主の女性は「今まで多くのお客さま、ボランティアさん、ボランティアくんに支えられ続けてこられた。本当なら閉店イベントでもできたら良かったのに、突然で申し訳ない」と話していた。同店の自動販売機は既に引き取り先が決定しているという。「新しい場所で憩いの場に一役買ってもらえたら」とも。

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