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「彩の国さいたま芸術劇場」芸術監督の近藤良平さんが熊谷・妻沼地区を訪問

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 彩の国さいたま芸術劇場(さいたま市)芸術監督の近藤良平さんが8月7日、熊谷市妻沼地区を訪れた。

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 埼玉県内を巡り、多彩な文化を探索するプロジェクト「埼玉回遊」を進める近藤さん。劇場の改修期間を利用して現地を訪問し、人・モノ・場所・衣食住などさまざまな文化と、地域の人との交流で得たインスピレーションでライブパフォーマンスを創作し、映像作品として記録する。回遊先となる「すてきな文化に携わる人・団体」は今春、他薦のみで公募。応募総数123件の中から23件が選出され、17番目の回遊地として熊谷市が選ばれた。案内人は地域の文化財保護を進めると共に絵画創作や評論なども行う熊谷市学芸員が務めた。

 当日、国宝「歓喜院聖天山」(妻沼)を訪れた近藤さんと劇場スタッフは、寺の歴史、色鮮やかな彫刻の細部や登場する動物にも注目して質問を重ねるなど熱心に見学。「本殿は民衆の郷土愛や信仰心によって建立された」と説明を受け、「地域の宝が人々の日常と密接に関係し、今まで引き継がれてきたことに感動した」と話していた。

 県境に位置する利根川の対岸を結ぶ「葛和田の渡し」(赤石渡船)では、埼玉県側にある黄色いフラッグを挙げると群馬県側から船が向かって来る仕組みの操作を体験した。船に乗った近藤さんは「埼玉県にこのような交通システム、広大な川があることに驚いた。大きなインスピレーションを得ることができた」と笑顔を見せる。

 担当学芸員は「『埼玉回遊』のキーパーソンとして選出されたことを驚くと共に、推薦してくれた人に感謝している。『妻沼聖天山』と『渡し船』という日常と非日常が融合した場所を案内した。どのように作品化されるのか期待している」と話す。

 作品は来年3月、リニューアルした同劇場で「埼玉回遊<特大号!」として、近藤さんの構成・演出で上演する予定。

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