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熊谷駅ピアノコンテスト 優勝は高校生ピアノ男子、オーディエンス賞とW受賞

熊谷駅ピアノコンテスト表彰式。優勝の小林さんは観客の得票数が最も多い「オーディエンス賞」とのダブル受賞となった

熊谷駅ピアノコンテスト表彰式。優勝の小林さんは観客の得票数が最も多い「オーディエンス賞」とのダブル受賞となった

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 「第1回 熊谷駅ピアノコンテスト」の最終審査コンサートが10月14日、熊谷市立文化センター文化会館(熊谷市桜木町)で行われた。

「第1回 熊谷駅ピアノコンテスト」最終審査コンサートの出演者とスタッフ

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 昨年12月、市民有志から成る「熊谷駅ピアノ実行委員会」が街のイメージアップと街中の活性化を図り、音楽を通じて人と人の心をつなぐきっかけを生み出すことを目的に、JR熊谷駅のコンコースに設置したストリートピアノ。誰でも自由に弾くことができ、設置直後から今日までさまざまな人がピアノを奏で、駅利用者が耳を傾けている。「もっと多くの人に駅ピアノの存在を知ってもらって盛り上げたい」とコンテストを企画した。

 今年5月から8月にかけて、プロ・アマ問わず、他楽器とのアンサンブル、歌唱とのコラボも可能として「熊谷駅ピアノ」を演奏していると分かる動画を募集。ユーチューブで公開し、同実行委員10人と熊谷市出身のピアニスト・森田義史さんが応募総数62組の中から最終審査に進む11組を選んだ。実行委員会副会長の野澤久夫さんは「年齢層は大学生以下の若い人が多く小学生からファミリーまで、市外からもたくさん応募があった。どの動画も個性あふれて一つ一つに感動した。ピアノの技術を競うものではなく、音楽を楽しむ姿勢や情熱・パッションなど総合的に判断し『この人の生演奏を熊谷で見たい』と思うものを選んだ」と話す。

 当日は、応募動画と同じ曲を演奏。約300人の観客が「気に入った」組に1票ずつ投票した後、審査員が評価を加えた。クラシックやポップス、映画音楽など幅広いジャンルで、連弾や歌唱、打楽器などとのアンサンブルもあり、観客からは「一般のコンサートとは違った雰囲気が楽しめた」との声が聞かれた。森田さんによる特別演奏も行われた。

 優勝は県立熊谷高校の小林幹太さん。観客の得票数が最も多い「オーディエンス賞」とのダブル受賞となった。準優勝は同ピアノを30回以上弾きに訪れているというピアノ系ユーチューバーの「くっちー」さん。受賞コメント中、小林さんと「くっちー」さんが2人とも前日に誕生日を迎えたことが分かり、審査員の森田さんが「ハッピーバースデートゥーユー」を演奏。場内はお祝いムードに包まれた。

 小林さんは「通学で駅を利用するたびピアノを見ていて、いつか弾いてみたいと思っていた。夏休みの思い出に友達と動画を撮り合って応募した」と振り返る。「受賞は高2の良い思い出となった。この経験を糧に受験勉強も頑張っていきたい」とも。

 森田さんは「動画で見るより、生音の方が感じるものがある。審査員が専門家ではなく、さまざまな職種の人たちなので価値観や良いと思う点が違って評価が分かれるかと思ったが、良いもの、心に響くものは同じだった。小林さんの演奏は素晴らしかった」と話す。実行委員長の酒井啓次さんは「最初から鳥肌立つほどの演奏で全員に満点を付けたかった。来年も開催したい」と話す。

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