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行田の「喫茶 音時計」が8年ぶりに営業再開 週2日限定で

カウンターの中に立つ、店主の工藤悦子さん

カウンターの中に立つ、店主の工藤悦子さん

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 「喫茶 音時計(おんどけい)」(行田市栄町、TEL048-511-7109)が8月30日、8年ぶりに営業を再開して3カ月がたった。

「音時計ブレンド」と「チーズケーキ」。チーズケーキは季節の果物などを組み合わせる

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 「何かを考えても考えなくてもいい。自分を取り戻せる場所」をコンセプトに、「カフェや喫茶店巡りが好き」という店主の工藤悦子さんが2009(平成21)年に出店した「カフェ 音時計」。同店は2016(平成28)年から、悦子さんの夫が大病したため一時休業していた。

 悦子さんによると、夫が回復に向かった矢先に両親の介護と看取り、コロナ禍が重なり、カフェ営業再開に踏み切れずにいたが、2023年11月、参加した料理教室で再開を決意。営業再開に伴い店名の「カフェ」を「喫茶」に改名した。「昭和レトロが好きで、純喫茶に近い雰囲気を漂わせたかった」と悦子さん。

 店舗は元々日本料理店だったという物件を改装。店名は、外から見える「丸時計」が気に入り決めたという。「いい時間を提供したいと『時計』ありきで考え、私たち夫婦はジャズ音楽が好きなので『音』を加えた」と悦子さん。店内は元からあった骨組みや仕切りを生かして、「アメリカン」「アジアン」「ヨーロピアン」「昭和レトロ」などさまざまな雰囲気の空間を演出する。ジャズの流れる店内には悦子さんが集めたカップや皿、本、小物を並べる。

 インテリアコーディネーターの資格を持つ悦子さんは「自分の店を好きなテイストでコーディネートする念願がかなった。完全な個室ではないが、好きな空間で視線を気にせず過ごしてほしい」と話す。店舗面積は約14坪。席数は、カウンター席5席、テーブル席3卓10席。

 メニューは、「酸味と苦みが主張し合わない」(悦子さん)という「コーヒー(音時計ブレンド)」(500円)をはじめ、「コーヒー(ストレート)」(550円~)、「スペシャルアイスコーヒー」(550円)、「紅茶」(500円~)、「オレンジジュース」「黒ウーロン茶(アイス)」(以上450円)、チーズケーキ、白ごまプリン、黒ごまプリンなど週替わりで、「只今のスイーツ」(500円~)を用意する。「できる限り体が喜ぶよう材料を吟味し手作りしている」と悦子さん。

 悦子さんは「夫と両親が病に見舞われたが、時期がずれたことで一つずつ受け止められた。休業前は週5日、週末は21時まで営業し、店のことばかり考えていた。再スタートするなら夫に負担をかけず、自分が楽しめる範囲で営業しようと思った」と話す。「休業中に多くの人に助けられた分、店を通してお返ししたい。今後は営業時間外に喫茶店という場所と自分が楽しみたいことを掛け合わせたジャズライブや読書会などのイベントも開きたい。自分が楽しんでいないとお客さまも楽しめないので」とほほ笑む。

 営業時間は11時~17時。木曜・金曜のみ営業。

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