「秋の成田用水いきものしらべ&川清掃」が10月27日、熊谷市役所近くの成田用水で行われた。
「町の中に川が流れる貴重な環境をより良いものにしよう」と市民有志が環境保全と地域交流を目的に活動する「川ぞいてん」の一環。成田用水の約500メートルを定期的に清掃しながら生きものの生態を調べて、地域の人たちが環境を考える機会にもなっている。
当日は子どもから大人まで14人が参加。水辺に生えた草を取ったり水中にあるごみを拾ったり、子どもたちは網で用水の窪みや土管に隠れている生き物を探したりした。網をのぞき込んだ女児が「何か動いているよ。これ何?」と声を上げると、周りにいたメンバーが集まってきて名前を教える場面もあった。ナマズ、アブラハヤ、ドジョウ、ヌマエビ、ヤゴ、マシジミなどを捕まえた。
市内箱田・宮町地区に住む人たちを中心に1999年から、川沿いに児童画や絵画をはじめ、写真・書・パッチワークを展示し、ミニライブや琴の演奏と体験、川の生き物調べ体験などを行う「川沿い作品展」として始まった活動。開催20回を区切りに2020年から形態を変え、「川ぞいてん」と名称変更して活動を続けている。
この日も生き物調べと川清掃の傍ら、個人宅の庭や縁側で、会員が持ち寄った絵画や熊谷染、金継ぎ器などの作品を展示した。事務局の若原浩さんは「活動後にお茶飲みしながら眺めてもらえれば」と話す。代表の石川雄太さんは「有志の仲間と年2回活動しているが、地域のつながりを再認識できる良い機会。SNSでも活動を載せているので、興味のある方は参加して」と呼びかける。「小さな小さな活動だが、ホッとできる、安らげる環境を次の世代につなぐ役に立てれば」とも。