熊谷市出身のイラストレーター・ことなさんの作品展「ことな展」が2月5日、八木橋百貨店(熊谷市仲町、TEL 048-523-1111)5階アートサロンで始まった。
熊谷市のマスコットキャラクター「ニャオざね」の生みの親でイラストレーター・挿絵画家のことなさん。同サロンで作品展を開催するのは3回目。
展示テーマは「生と死の間」。ことなさんは「平和な日常の一方で、戦争や病気などのニュースを目にするにつけ、いつも生と死について考えている。死は圧倒的な悲しみだが、人はみんないつか死ぬから、一瞬一瞬をかみしめて一生懸命生きることの大切さを伝えたい。生と死を前向きに表現した」と話す。
展示作品は77点。亡くなった人が天国に行く様子を描き、死を前向きに表現した「召される日は」や「見てるからね」、これから生まれる子どもたちを天使に見立てた「お空から来る子たち」のほか、愛と平和の意味がある「ラリマー」という鉱物を女神に例えた「ラリマーの女神」、ガラス作家・せきゆうこさんのグラスをモチーフにした「待っていたよ」などが並ぶ。会場内の作品は全て販売する。ことなさんの絵は、百貨店内5カ所でも飾られており、掲示場所のマップを配布している。
市内外だけでなく、県外からの来場もある。神奈川県から訪れた70代の女性は「まさに、ことなワールド。絵だけでなく一言添えてあるのが良い。ことなさんの優しさだけでなく、ことなさんを取り巻く人々や家族の愛や優しさも絵に表れているように感じる」と話す。
9月にイラストレーター活動20周年を迎えることなさんは「私より絵がうまい人はたくさんいる。絵とメッセージを組み合わせたスタイルを確立したい」と話す。「自分が幸せでないと人を幸せにする絵は描けない。不安定な世の中、温かさや安心感、ほっこり感を持って帰ってほしい。絵が少しでも救いになれば」とも。
開催時間は10時~18時30分。今月11日まで。