
深谷のパン店「T'z Bakery KOHSHI(ティーズベーカリーコーシ)」(深谷市上野台、TEL 048-574-3211)が7月21日、オープン10周年を迎えた。
写真奥から「ケールカンパーニュのタルティーヌ」「ベーコンフランスとそこらへんの野菜」
マンションの1階にある同店。山形県出身の店主・上川貴史さんが都内や群馬県、山形県などのパン店で10年ほど経験を積み、2015(平成27)年に出店した。店名は貴史さんのイニシャル「T」と妻・泉さんの「ず」から。「KOHSHI」は上川さんの祖父の名前で、大切な人の名前を店名にしたという。店舗面積は24坪。
商品は、「T'z食パン」(1斤=378円)、「クロワッサン」(270円)、「てんちょーのおやつ(ミルクフランス)」(259円)のほか、季節ごとにフルーツが変わるデニッシュなど常時40~50種類を用意する。上川さんは「食パンは生クリームと練乳を使い、ミルキー感を出している。小麦粉と水を結合させる『水和』という作業をしっかりと行うことでしっとり感が出て、表面がきめ細やかに焼き上がる」と話す。
「地元農家とつながる野菜を食べるパン」をコンセプトに掲げて、イタリア野菜・ケールを使った「ケールカンパーニュのタルティーヌ」(324円)や、素揚げしたスティック状の野菜を日替わりで挟んだ「ベーコンフランスとそこらへんの野菜」(324円)も用意する。パンに使っているケールやベビーリーフなどの野菜も店内で販売する。
野菜を使うようになったのは、力丸農園(深谷市)のケールを使ったパンを開発したことがきっかけ。上川さんは「知らない野菜がただ売られていてもなかなか買わないが、パンにすれば自然と食べてもらえると思った。フルーツではなく野菜でも色鮮やかなパンはできる」と開発を振り返る。「野菜は揚げただけでもおいしい。どんなソースを使っているかと聞かれて、素揚げに塩だけと答えた時のお客さんの驚いた顔が忘れられない。実家が八百屋なので、野菜は自分のルーツにもつながる。今後は野菜を生かしたパンを軸にしていきたい」と話す。
10周年を迎え、「この10年で野菜をきっかけに深谷の農家さんや飲食店さんなどたくさんの人たちとつながることができた。お客さまはいい方ばかりで、続けてこられたのはお客さまのおかげ」と笑顔を見せる。
営業時間は10時~18時(金曜は10時30分から)。月曜・火曜定休。