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熊谷でイチゴ狩り 「土いじりで癒やされて」、同じ悩み持つ人へ来園呼び掛け

1万もの苗を前に来園を呼び掛ける吉田さん夫妻

1万もの苗を前に来園を呼び掛ける吉田さん夫妻

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 熊谷のイチゴ農園「山ノ下いちご園」(熊谷市下恩田、TEL 048-507-1439)で1月10日、「あき姫」「紅ほっぺ」など人気品種のイチゴ狩りが始まった。

高設栽培は立ったままイチゴ狩りができる。車いすの方にはちょうど目の高さ

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 以前は田んぼだった場所を農園に開拓、イチゴ農園として園主の吉田昌弘さんが開いた。「うつ病で会社を辞めた夫に、荒れていた田んぼの草刈りを勧めたことから始まった」と話すのは妻の香さん。平日は正社員として働きながら夫の農園も手伝う。

 同園で楽しめるイチゴは「あき姫」「やよい姫」「紅ほっぺ」の3種類、減農薬にこだわって栽培する。イチゴ狩りオープン初日を振り返って昌弘さんは「今年は平日にもかかわらずたくさんのお客さまが来園してくれた。問い合わせの電話も入り、皆さんが心待ちにしてくれていると感じる」と話す。「5月ごろまで楽しめるが、やっぱりお正月明け~3月頃がイチゴの旬。旬のおいしいイチゴを味わってほしい」とも。

 来園者が自由に書き込める「いちご一言ノート」を設置している同園。「甘くておいしかった」「いい香りで幸せ」と味に関する感想をはじめ、「青森から来ました」「今年も来たよ」「家族で楽しい一日になった」などさまざま。幼稚園や福祉施設など団体の利用もあり、「近隣のイチゴ園に比べてイチゴの位置が少し高めで、車いすの方にはイチゴがちょうど目の高さで取りやすかった」「ベビーカーもそのまま入れたのでいい」という感想もあった。香さんは「初めは『書いてくれるといいな』くらいに思っていたが、予想以上に書いてくれる方がいて、返事を書く私もうれしい。イラストや文章からイチゴ愛を感じる」と話す。

 香さんは「夫は以前相当なストレスがあったと思うが、農園を始めて会社ストレスからも解放され、今は良い方向へ向かっていると思う。農業は体にいいみたい」と話す。「日本人の祖先は農耕民族。ひょっとして『土いじり』はDNAに組み込まれているんじゃないかと思うくらい、土に触れると癒やされる」とも。

 「私たち夫婦と同じように、悩んだり苦しんだりしている人にも来てほしい。『大丈夫。うちも同じ』と伝えたい」と話す。

 営業時間は9時~15時。春休み終了までの料金は、大人30分=1,700円、小学生30分=1,500円、4才~未就学児=500円ほか。火曜定休。イチゴの状態によっては受け付けできない日もあるため電話確認が必要。

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