東松山の国分牧場直売所(東松山市古凍、TEL 0493-22-1126)で1月16日、国内でわずか数百頭しか肥育されていない希少種「ガンジー牛」の販売が始まった。
「自分の子どもに安全な牛ひき肉でハンバーグを作ってあげたい」と牧場代表の國分唯史さんが自宅敷地内に開設した同直売所。隣接する牧場で育てた国産若牛を一般消費者向けに販売する。
ホルモン剤を使わず、県内産の稲わらや川越コエドビールの麦芽かすを餌に使うなど「安全」「おいしさ」にこだわる同牧場。肥育から販売まで一貫して行うことで生産履歴管理を徹底する。国産若牛(ホルスタイン種)を主に扱うが、ジャージー種やブラウンスイスなど少数派の乳牛も肥育している。現在牧場内にいる120頭のうち10頭は希少性の高い品種という。
ガンジー種は世界的にも頭数が少なく、一般的な白と黒の「ホルスタイン種」に比べ、小柄で茶色と白のまだら模様が特徴的なイギリス原産の乳牛。同牧場での肥育は初めてなため、直売所も初の販売となる。肥育期間15カ月で出荷され、当日販売開始となったのはモツ。精肉は2月10日ごろの販売を予定する。
味について國分さんは「うちでも初めてのことなので想像だが、ジャージー牛に似て濃厚でインパクトのある味なのではないか」と予想する。「ガンジー牛の肉と特定して一般の方が購入できることはまず無いので貴重な機会になる」とも。
「乳牛として利用できない雄でもホルスタイン種の枝肉は一般に流通するが、ガンジー種など少数派の品種は流通しにくいため、子牛の段階で大幅に安く取引されてしまう傾向にある。味の評価ではなく希少種で出回らないことも原因にあると思う」と國分さん。希少種の肥育販売について「一般に流通させるのは難しいが、特徴のある肉牛を求める飲食店や料理人からも注文が入るようになり、バイヤーの目に留まり始めたと手応えを感じている」と話す。「継続することで、子牛を売る酪農家も購入するわれわれもお互いに良い関係を続けていきたい」とも。
営業時間は9時30分~17時。