熊谷の母めし食堂「のうカフェ」で2月23日、「手作りみそ教室」が開催された。
安心安全な食を守る農家を応援し、訪れた人の心と身体を元気にする「農がよろこぶ、脳がよろこぶ場所の提供」がコンセプトの同カフェ。工場見学や食材の生産者紹介など、利用者にさまざまな企画を提案している。
手作りみそ教室には6人が参加。「みそは簡単に造れる。自家製おみそをつくりませんか?」とフェイスブックや店頭で告知したところ、すぐに参加申し込みや問い合わせがあったという。参加費3,800円で大豆500グラム分のみそを作り持ち帰ることができる。店主の小林由紀子さんは「手前みそという言葉があるようにみそはそれぞれの家庭で作られ誇れるもの。実は簡単なのでみそ作りを知ってもらうお手伝いができれば」と話した。
講師は同市在住の塚田とよ子さん。無農薬・減化学肥料栽培認証を受け、安全・安心な野菜作りに取り組み、「道の駅めぬま」の立ち上げや地元農産物の給食導入、食育活動にも関わる。
みそ作りは、ゆでた大豆を手や足を使ってつぶす作業から始まった。塚田さんから「みそになる前の大豆と麹(こうじ)も味見してみて」と声がかかると、早速「甘い」「いい香り」「このまま食べたい」と声が上がった。
大豆をつぶし、麹、塩を混ぜ合わせて大きなみそ玉を作ってたるに詰めた。塚田さんによると、みそ玉をたるに詰める際は空気が入らないよう、たるの底に思いきり打ち付けるようにして入れ、平らにならした後、塩、ラップで密閉、ふたをするのがコツという。説明を含め約60分の作業中、「保存場所はどこがいいのか」「カビてしまったらどうしたらいいのか」などの質問に、塚田さんは「私の場合は」とアドバイスした。
みそ作りは初めてという女性は「以前からみそ作りに興味はあったが、独学では衛生上危なくないのか不安だった。麹の力やカビに対する話を聞いて、むやみに怖がらなくてもいいと分かった。手を動かして作るのは楽しい、みそ玉をたる底に打ち付けるときにはスカッとした。今秋の完成が待ち遠しい」と話した。
みそ作り終了後は、参加者に「母めしランチ」が振る舞われ、みそ作りを通じて知り合った参加者たちがにぎやかにテーブルを囲んだ。
小林さんは「みそ作りは、一人でよりみんなでワイワイしながら仕込む方が楽しい。みなさんの元気や楽しい気持ちが、たくさんみそに注がれたので、おいしいみそに仕上がると思う。季節を感じたり、手作りのよさを伝えたりする活動を今後も行っていきたい」と話していた。