行田市商工センター(行田市忍)で3月2日、同市で生産されたビール専用麦「二条大麦」を主原料にした地ビール「麦乃王」(むぎのおう)の完成試飲会が開かれた。
古くから水稲と麦類の二毛作地帯でビール用二条大麦の生産も盛んに行われていた同市。現在も二条大麦は県内1位の栽培面積を誇る。
行田観光物産会がプロデュースする同プロジェクト。埼玉古墳群や忍城、古代蓮をはじめ、ドラマ「陸王」の舞台となり県内初の日本遺産にも認定された足袋などの豊富な観光資源に加え、新たに地ビールを開発することで観光客に楽しんでもらおうと立ち上げた。
大麦の生産は同市はせがわ農園、麦芽加工はサントリーモルティングに委託し、所沢ビール会社が醸造、小山商事(リカリッシュ)が流通販売を行う。
同会副代表理事の長谷川浩さんは「地ビール開発は種子の育成者権などの問題で今まで実現できていなかった。今回、栃木・埼玉の両県や埼玉県米麦改良協会、JAほくさいの協力により、栃木県がビール専用品種として育成した『ミカモゴールデン』の優良種子を入手し品質の高い大麦を得ることができた。こうして完成披露できることは大変うれしい」と話す。「甘いホップの香りと、うま味のある飲み口が特徴で、試飲会では特に女性から高評価を得たようだ。ぜひ一度飲んでもらえれば」とも。
リカリッシュ行田旭町店のほか、市内飲食店でも取り扱う。アルコール分4.5%で、価格は500円(330ミリリットル)。