ラグビーワールドカップ直前テストマッチ「日本対南アフリカ」が行われた9月6日、試合直前の国歌斉唱で、南アフリカ代表選手の歌声に合わせて一緒に歌おうと日本の観客らが立ち上がった。
「試合時間以外は対戦する敵味方に関係なく『最高のおもてなしを』」と、国歌を歌ってスタンドを盛り上げ、選手らに歓迎の意を示す取り組み。市民や有志で結成されたおよそ500人の「熊谷ラグビー合唱団」が主導した。
これまでに何度も国歌練習のイベントを行って来た合唱団。5つの言語から成る「南アフリカ国歌」をカタカナ表記した譜面を用意し、JR熊谷駅から会場まで続く「ラグビーロード」やパブリックビューイングの会場などで試合前に自主配布、国歌斉唱で一緒に歌おうと呼び掛けた。
この日の熊谷ラグビー場には2万2千人以上が来場、パブリックビューイング会場にはおよそ5600人の人々が集まり、試合前の国歌斉唱で南アフリカ国歌が流れると、立ち上がって譜面を手に、南アフリカ代表選手に合わせて歌う市民や有志の人々の姿が見られた。
同合唱団の高田恵さんは「選手たちに届くよう気持ちを込めて歌った。合唱団のメンバーだけでなく周囲の人たちも一緒に歌うことができて感激している」と話した。
市内在住の40代男性は「他の国の国歌を歌うのは初めての経験だったが、熊谷に来てくれてありがとうと伝えたいと思った。日本は負けてしまったが、どの選手も熱意を持って戦っていた。これから始まるワールドカップに期待したい」と話した。
試合は7-41で南アフリカが勝利した。