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熊谷で着物文化に親しむ 「熊谷染」企画展、記念講座やデザインフォーラムも

「着物に親しんでほしい」と学芸員の大井さん

「着物に親しんでほしい」と学芸員の大井さん

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 熊谷市の伝統工芸品「熊谷染」の企画展「~和の文化~熊谷染の着物展」が現在、熊谷市立熊谷図書館(熊谷市桜木町)3階美術展示室で開かれている。

展示中の着物の図案や型紙

 江戸時代、中山道の宿場町として栄えた熊谷は、荒川の伏流水による良質で豊富な水を背景に染色業が盛んに行われ、中心市街地を流れる星川周辺には、大正年間以降、染色業、着物にまつわる一連の業者が集まり、一大染物街を作っていたという。その中で生まれた「熊谷染」は1978(昭和53)年に「友禅」、1979(昭和54)年に「小紋」が埼玉県の「伝統的手工芸品」に指定されるなど、熊谷のみならず埼玉を代表する伝統工芸品として認められた。ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会2019の開催期間に熊谷を訪れる外国人観光客に日本の着物文化に親しんでもらおうと企画した。

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 日本の着物文化の一翼を担った「熊谷染」の着物を中心に、図案や型紙、染色の道具などを展示。明治時代から昭和時代まで型紙を製造していた「岸家」の名を冠し、今年3月に市の有形民俗文化財に指定された「熊谷型紙『岸家』関連資料」も紹介する。

 会場では小紋と友禅の制作工程の映像を上映、企画展に合わせた記念講座も予定。同館学芸員の大井教寛さんは「着物展を通じて『熊谷染』の振興と郷土の伝統工芸を後世に伝えていきたい。日本の伝統衣装が持つ『和の美』の素晴らしさを感じてもらえれば」と話す。「図案や型紙のデザインを使った小物などの製品が増えるのもいいと思う」とも。

 10月9日には「星溪園」(鎌倉町)で「熊谷染のデザインに触れる」フォーラムが開かれる。RWCの「おもてなし」の一環で星川を彩る「ウエルカムイルミネーション」に用いられた「熊谷染型紙」の文様。デザインを担当した熊谷明美さんと「熊谷型紙」の文化財指定に向けて調査研究を進めた熊谷市立江南文化財センター主任の山下祐樹さんが対談、熊谷版インスタレーション(空間芸術)と文化財としての「熊谷型紙」をテーマにする。当日熊谷ラグビー場で試合するアルゼンチン代表にちなみアルゼンチン産コーヒーの試飲会も予定する。

 開館時間は9時~17時。月曜定休。フォーラムは10時~12時。定員25人。参加無料。

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