ラグビーワールドカップ2019日本大会の熊谷ファンゾーンが10月9日、ウェールズ対フィジーのパブリックビューイングを最後に終了した。
熊谷ラグビー場でアルゼンチン対アメリカの試合が行われたこの日、午前中から試合会場へ行く前にファンゾーンを立ち寄る人や試合会場ではなくファンゾーンを目掛けて訪れる人、観戦後に試合会場から戻って次の試合をパブリックビューイングで楽しむ人などでにぎわい、1日の累計来場者数では期間中最高の1万5000人に上った。
10日間で延べ7万人以上が来場、近くに住んでいるから散歩に来たという人や試合会場ではなくファンゾーンに10日間通ったという人もいた。熊谷ファンゾーン会場では地元高校の応援演奏や熊谷ラグビー合唱団による国歌練習、周辺では「うちわ祭」の山車(だし)、ちょうちん、のぼり旗などを出し、連日熊谷ならではの日本文化で「おもてなし」が行われた。
ファンゾーン最終日として試合後に行われたフィナーレイベントでは、司会の田中美里さんの掛け声で、ラグビーワールドカップの大会オフィシャルソング「WORLD IN UNION(ワールド・イン・ユニオン)」を会場内全員で合唱。勝敗に関わらず全ての人を受け入れ世界は一つであるという、ラグビーの精神を表現する歌に、ファンゾーン開催10日間の感謝を込めた。ボランティアスタッフが登壇すると会場内からは「熊谷ありがとう」「ファンゾーン最高」と声が上がった。
フィナーレには、試合解説者の三宅敬さん、ドーキンズ英里奈さんをはじめ、パナソニックワイルドナイツの百武優雅選手、森谷圭介選手、谷田部洸太郎選手も登壇した。田中美里さんはスタッフや来場者に向けて感謝を伝えるとともに「このワールドカップでラグビー好きになった人がたくさんいるはず。ラグビー面白いよね。熊谷にはパナソニックワイルドナイツがいる、アルカス熊谷がある。みんなで見に行こう、引き続き熊谷からラグビーを盛り上げよう」と呼び掛けた。
「世界を国歌でおもてなし」や「ラグビーロードランニングチャレンジ」などを企画し、市民を巻き込んで同市のラグビー熱を先導してきた臼杵健さんは「今日、熊谷で最後の試合を観戦してラグビー場出る時に、『スタジアムがこんなに盛り上がって本当に良かったな』と心底思った。ラグビーワールドカップで出会えた全ての人に感謝している。やればできるということも分かった。一生に一度と言わず、ラグビーに関わらず五輪でも、何か別のイベントでも、一生に何度でもこの感動を繰り返したい」と笑顔を見せる。