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熊谷でカレー提供企画 地元有志が食材提供、長年親しまれた体育館に感謝込め企画

来場者にカレーを渡す堀越真社長

来場者にカレーを渡す堀越真社長

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 今年3月に閉館した熊谷市立東部体育館(熊谷市佐谷田)で8月29日、地元食材を使ったカレーライスを提供する「テークアウト子ども食堂」が行われた。

多くの市民に親しまれた熊谷市東部体育館

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 国道17号線と新幹線高架が重なる佐谷田交差点近くにある同施設は、市立佐谷田小学校の体育館として1967(昭和42)年に建設され、1978(昭和53)年の同校移転に伴い、これまで社会体育施設として市内全域のスポーツクラブの活動などに利用されてきた。建築から50年以上が経過し、施設の老朽化と耐震基準を満たしていないことから、利用者の安全性優先を考慮し、2021年3月31日に閉館。今秋取り壊しが決まっている。

 閉館後、近隣住民が有志で集まり「施設がなくなる事を悲しむのではなく『お疲れさま、ありがとう』の気持ちで何かできたら」とコロナ禍の中でできるイベントを検討。「ありがとう東部体育館」企画としてこの日、会席や仕出し料理を提供する日本料理店「とうげ本店」(佐谷田、TEL 048-525-5048)の堀越真社長が中心となり、地元食材を使ったカレーライスを無償で提供する「テークアウト子ども食堂」を開き、長年親しまれた同施設内部を見学できるよう一般に解放、手作りの記念撮影スポットも設けた。

 提供した「特製カレーライス」は、佐谷田地区の生産者たちが米や野菜などの食材を提供し同店が調理。計350食を用意した。当日は、中学生以下に無償配布し、大人には300円で販売した。

 このほか500人分のかき氷も用意。来場者に振る舞った。会場ではマスク着用、手洗いの徹底、食品の衛生管理、来場者の手指消毒、3密を避ける動線誘導、受け取り後は速やかに帰宅を促すなど、コロナ対策も徹底された。

 堀越社長は「昨年から新型コロナウイルス感染症の影響で自粛を余儀なくされている住民を励まそうと、定期的にテークアウト子ども食堂を開いているほか、医療従事者に弁当を差し入れるなどの支援活動を続けている。会場設営や配布スタッフには地元企業や自治会が協力して『オール佐谷田』で行った。私自身も6年間通った思い出深い体育館に感謝を込めて企画した。たくさんの人が喜んでくれてうれしい。今後の状況も不明な中だが、飲食店が苦境を乗り切れるようなテークアウト文化を作る手助けをしていきたい」と意欲を見せる。

 企画に協力した自治会スタッフは「2年連続で地域の運動会も開催できず寂しかったが、子どもたちの笑顔が見られるイベントができてよかった」と笑顔を見せていた。

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