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小川と熊谷の酒蔵がコラボ新商品 代表銘柄をブレンド、障害者支援の一助に

秩父山系の伏流水を用いた力強さと、熊谷の風土に育まれたやわらかな旨味が調和し、上質で奥行きある味わいに仕上がった。「美味しいお酒を造るのが我々の目標だが、一番はお客さまが笑顔になってくれること。楽しく美味しく味わってもらえれば冷やして飲むのも温めるのも飲み方はお客さま次第」と話す松岡さん(左)と権田さん(右)

秩父山系の伏流水を用いた力強さと、熊谷の風土に育まれたやわらかな旨味が調和し、上質で奥行きある味わいに仕上がった。「美味しいお酒を造るのが我々の目標だが、一番はお客さまが笑顔になってくれること。楽しく美味しく味わってもらえれば冷やして飲むのも温めるのも飲み方はお客さま次第」と話す松岡さん(左)と権田さん(右)

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 小川町下古寺の「松岡醸造」と熊谷市三ヶ尻の「権田酒造」が10月10日、それぞれの代表銘柄「帝松(みかどまつ)」「直実(なおざね)」をブレンドした日本酒「江戸彩 -edosai-」の販売を始める。

(左から)四境の玉置さん、松岡醸造の松岡さん、権田酒造の権田さん

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 アートを通じた障害者支援活動に取り組む「四境(しきょう)」(福岡県福岡市南区)CEOの玉置志布さんがプロデュースする同商品。朝霞市に活動の拠点を持つという玉置さんは「前職で飲食に関わり、日本なのだから日本酒をもっと広めたいとの気持ちを持っていた。アートと組み合わせて付加価値を持たせることを考え、埼玉県内32社の酒造会社を回り、障害者支援や社会貢献に熱量が高いと感じた2社に決めた」と話す。

 松岡醸造社長の松岡奨さんは「玉置さんの話を聞き、障害者支援活動が次の酒蔵へと波及していけばとの思いから商品開発をスタートした。この機会に横のつながりを強め、若手の力を加えて一緒にやってみようとブレンド酒に決めた」と振り返る。

 テーマは、「埼玉の蔵同士が埼玉の原材料を使ってブレンドした酒」。両社の酒の中から、酒米は酒武蔵、埼玉産の酵母を使った酒を持ち寄り、配合比を決めた。松岡さんは「互いの蔵の色を残す味わいを求めて試行錯誤した。それぞれの特徴が出るところが面白かった。味は、中腹に『直実』のコク、終わりに『帝松』らしいキレと爽快感がある仕上がりになった」と自信を見せる。「異なる酒蔵の酒をブレンドして商品化するのは全国的に例が少なく、埼玉県では初めて」とも。

 商品名は、両社の共通点である江戸時代創業、埼玉は「彩の国」であり、今回アートを組み合わせることから「彩り」の意味を込め「江戸彩(えどさい)」と名付けた。

 ボトルのラベルには、福岡県の福祉施設「ひまわりパーク六本松」に所属する美術アーティストの濱田浩和さんの作品を採用した。同商品の売り上げの一部は、障害者の活動や生活を支援する団体に寄付する。

 権田酒造常務の権田拓弥さんは「利き酒形式で配合を決める過程は楽しく、ブレンドにより日本酒の新しい可能性が広がると感じた。他社の酒とブレンドするのは初の試みだったが、それぞれの味が共存できるタイミングが存在するというのも新たな発見だった。つまみは何でも、フルーツなどにも合う酒になった。両社の既存のお客さまにも楽しんでほしい」と話す。

 価格は1本720ミリリットル入り=5,500円。準備数は750本。オンライン販売のほか、松岡醸造、イベントなどでも販売する。

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