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熊谷・小学生が地域の歴史学ぶ 校歌の「五郎」って誰?ふるさと知るきっかけに

成田星宮小の校歌「長い歴史の わがうぶすなよ 御祖五郎の 遺徳をしのび」について問いかける関根さん

成田星宮小の校歌「長い歴史の わがうぶすなよ 御祖五郎の 遺徳をしのび」について問いかける関根さん

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 地域の歴史を伝える出前授業「こんなにすごい成田星宮」が12月17日、熊谷市立成田星宮小学校で行われた。

クイズ「成田家の家紋はどれ?」

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 地元に誇りを持ってもらうことを目的に、NPOくまがや教育支援の理事で元小学校長の関根達郎さんが企画した。6年生91人が学校名「成田星宮」にまつわる歴史について学んだ。

 授業ではまず、同校校歌「御祖五郎(みおや ごろう)」の一節に着目。子どもたちに「五郎さんって誰?皆が歌っている人物は誰なのか、なぜ地域に『成田』という名が残っているのか」を問いかけ、学校近くの「雷電神社」の再興に尽力した武将・成田五郎家時を指すことを紹介。「成田」という住所は地図にはないが、成田星宮地区の「成田」という地名が一族の名に由来していることを説明した。児童たちはプリントに丸を付けたりメモを取ったりしながら、自分たちの暮らす土地と歴史上の人物とのつながりに耳を傾けた。

 この日は、行田市の「忍城おもてなし甲冑隊」で成田長親役を務める野原のぼさんがゲストとして来校。成田五郎家時から5代後に忍城の城代となった成田長親をモデルにした映画「のぼうの城」に触れ、甲冑(かっちゅう)姿で演舞を交えながら、豊臣秀吉軍の攻撃や水攻めに立ち向かった忍城の戦いを紙芝居で紹介した。物語を通して、どんなことがあっても慌てず前向きに生きることの大切さを伝えていた。途中のクイズでは一斉に手が挙がり、質問コーナーでは「水攻めってどんなだったの」「(成田長親が)侍をやめてお坊さんになったのはなぜ」「腰に着けた短い刀は何に使うの」のほか「結婚していますか」「活動は大変ですか」などさまざま聞かれ、教室は終始活気に包まれた。

 授業後、児童からは「歴史を知ることができて、面白いと思った」「自分の生まれた地域がすごい場所だと分かってうれしい」「成田長親が本当にこの地域にいた人だと知って驚いた。もっと調べてみたい」などと感想があった。須藤康親校長は「プロの演者が目の前で演じ、語ることで、子どもたちの心に地域の歴史が強く刻まれたと思う。子どもたちは、授業プリントを持ち帰り、保護者と一緒に見たり設問を解いたり、忍城や古墳などの史跡を訪れたりしながら学びを深めていく。今日の授業が自分の生まれた場所、住む所を知るきっかけになる」と話す。関根さんは「成田五郎家時から成田長親へとつながる物語を、自分たちのふるさとの歴史として語れるようになってもらえたら」と期待する。

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