熊谷うちわ祭実行委員会が7月16日、熊谷市役所通りのお祭り広場周辺で道路自体を祭り仕様へと切り替える準備作業を行った。
中央分離帯が祭り期間のみ消える特別仕様。熊谷の「動く道路インフラ」は、1999年から続いている
市役所通り「お祭り広場交差点」付近の中央分離帯。3カ所で総延長は約130メートル。通常時は上下車線を区分する役割を担っているが、祭り期間中は山車(だし)や屋台の通行、歩行者の安全に配慮し、ブロックを裏返して元の位置にはめ込むことで道がフラットになるよう設計されている。
熊谷市役所道路課によると、1992(平成4)年に市が策定した「クロスシンボルロード構想」を基にお祭り広場周辺の検討が進められ、1999(平成11)年のアンダーパス開通と同時期に現在の道路が整備された。構想当時、祭り関係者と現場で協議を重ね、「山車が集まる場所で段差を作らないこと」や「信号機を可動式にして山車との接触を防ぐこと」などを検討した。
この日は9時からクレーン車でブロックを一つずつ裏返す作業が行われた。「取り外せる中央分離帯」は、道路の微妙なカーブに合わせてブロックの長さが異なり、大きい物は長さ2メートル、土台の幅60センチ、高さ35センチに及ぶ。裏面はアスファルトの路面と一体化するようになっており、裏返すことで段差が解消される仕組み。SNSで作業を知り見学に来た市民やスマートフォンで撮影する通行人の姿も見られた。近くに住むという女性の一人は「ブロックが平らになる仕組みは知っていたが、実際の作業を見るのは初めて。お祭りのためにここまでするなんて」と話していた。
「関東一の祇園(ぎおん)」と呼ばれ、熊谷の夏の風物詩として知られる同祭。「疫病退散」「五穀豊穣(ほうじょう)」を願う八坂神社(熊谷市鎌倉町)の祭礼行事で、毎年7月20日から3日間行い、75万人以上の人出でにぎわう。12町区の山車や屋台が、おはやしの音色を響かせながら巡行する。