熊谷の洋食喫茶 PUBLIC DINER(熊谷市肥塚、TEL 048-580-7316 )で2月26日、デザインの視点で日本を旅するトラベルガイド「d design travel 埼玉」発刊を前に出版記念パーティーが開催された。
同書は、ロングライフデザインをテーマに活動するD&DEPARTMENT PROJECTが、47都道府県に1冊ずつの発刊を目指し、その土地それぞれに長く続く「個性」「らしさ」をデザインの観点から選びトラベルガイドとしてまとめたもの。編集長のナガオカケンメイさんらが実際にその地に足を運び、地元のデザイン関係者などとともに取材・編集を行っている。3月3日発売の「埼玉号」は21冊目となる。
第1部のスライドトークショーでは、編集部の空閑(くが)さんと神藤(しんどう)さんが取材を通して感じた「埼玉らしさ」や、本に書き切れなかったエピソードを紹介。取材で巡ったスライドを見せながら「埼玉に住んでいる人は当たり前のように見慣れているケヤキの木や公園の緑。自然そのままのようなデザインのケヤキが3本、葉っぱのない季節でもこんなにすてき」と話すと、県内からの参加者から納得の声が上がった。細川紙(小川和紙)作りの経験を経て独自のすかし和紙を生み「埼玉号」の表紙を飾った森田千晶さんも登場し、装丁までの道のりが明かされた。
第2部の出版記念パーティーでは「パブリックダイナーと小川町をまるごと食べる」をテーマに地元食材を使った「大人のお子さまランチ」が配られ、深谷ネギのカクテルや権田酒造の「直実」をはじめ、小川町のシソを使ったオーガニックジュースなど埼玉ならではのドリンクメニューも提供された。会場となった同店はキーパーソンとして選ばれた加賀崎勝弘さんが運営する店。その土地らしいスポット「dマーク」にも選ばれている。約2時間半のパーティーを表紙デザインそっくりのケーキサプライズで盛り上げ、地元高校応援団も駆け付けるなどして参加者と編集部をもてなした。
ナガオカさんは「どの土地でも発刊前にこうしたイベントを開催しているが、その土地ならではの個性を持ち100人以上の参加者を受け入れられる会場を見つけるのは大変」と話した。「いつも慌ただしいスタッフも食事を楽しめた」とも。
同ガイドブックは3月3日発刊。4月20日までの期間中、同誌に掲載されている「dマーク」の付いた場所にオリジナルスタンプを設置し。掲載スポットなどを旅して回る「d編集部の埼玉ぐるぐる」を開催する。