熊谷文化創造館「さくらめいと」(熊谷市拾六間)で12月27日、オペラ「カルメン」の公演が行われ、熊谷市少年少女合唱団が声楽家らと共演する。
文化庁「ARTS for the future!」採択事業の一環で行われるオペラ公演。熊谷出身のバリトン歌手、原田勇雅さんが代表を務める芸術家集団「ムジカルダ」が熊谷を舞台に国内外で活躍するオペラ歌手、演出家を招き上演する。
創立から30年以上続く熊谷少年少女合唱団。2017(平成29)年、原田さんが音楽監督に就任し、ソプラノ歌手の北裕子さん、ピアニストの宮本慧理子さんらと共に指導に当たっている。中学生以上の部「Fiore(フィオーレ)」も結成され、これまで定期演奏会や熊谷市民音楽祭、熊谷市産業祭などイベントに出演していたが、新型コロナ禍で発表の場が減っていることから「オペラに挑戦してみては」と提案。新たに募集した団員も含め小学生から高校生まで21人のメンバーが出演する。
合唱団メンバーの役柄は「セビリアの子どもたち」で、第1幕から衛兵のまねをして行進しながら歌う場面に登場。第4幕にも出演する。全幕原語での上演とあって、メンバーはフランス語の発音や演技の指導も受けながら練習を重ねてきた。初めは世界レベルのプロの歌声に驚き圧倒されていたが、すぐになじみ、他のキャストとも「いい雰囲気で練習できている」という。原田さんは「メンバーには仲間と力を合わせる大切さ、自分を表現することの楽しさを学んでほしい。皆で一つの公演を作り上げる楽しさを感じてもらえたら」と話す。合唱団の見どころについて、「こんなに表現できるのかと、子どもたちの型にはまらない発想が素晴らしい。舞台上で生き生きと演じて歌う子どもたちは輝いている。楽しみにしてほしい」と原田さん。
ビゼー作曲のオペラ「カルメン」は、自由な恋と情熱に生きる女性カルメンを取り巻く人々との物語。カルメンが登場する場面の「ハバネラ」や華やかな「闘牛士の歌」など、誰もが一度は耳にしたことのある「おなじみ」の名曲に乗せて、自由奔放なカルメンと、一途なドン・ホセによる愛と死、運命のドラマを届ける。全幕フランス語で上演し、字幕のほか荒井雄貴さんによるプロジェクションマッピングを展開。演出は太田麻衣子さんで、オペラ初心者も楽しめる演出になっているという。主役のカルメン役を鳥木弥生さん、ホセ役を又吉秀樹さん、花形闘牛士のエスカミーリョ役を原田さんが演じる。「素晴らしいメンバーが集まってくれた。世界中の都市で上演されている名作を熊谷で上演することができてうれしい」と原田さん。「生の声の素晴らしさ、美しさを感じてほしい。熊谷の新たな風物詩を目指したい。一年の締めくくりに良い音楽に浸ってもらえれば」と話す。
開演時間は18時(開場は17時15分~)。チケットは全席指定5,000円(高校生以下は2,500円)。問い合わせはムジカルダ事務局(TEL 050-3567-7067)まで。