ジンギスカン専門店「羊屋壱両(ひつじやいちりょう)」(熊谷市弥生、TEL 050-3201-6820)が8月19日、オープンした。
経営は古道具やアンティークを取り扱う「壱両」(寄居町)。社長の杉山亮さんと共同代表の吉野市朗さんは空間や食を通してサステナブルな社会の実現を目指しているという。店舗面積は20坪。カウンター10席、個室4席を設ける。
店名は幼い頃から友人という2人の頭文字「いち」と「りょう」を組み合わせた。オープンのきっかけについて、杉山さんは「古道具を取り扱う中、本質的に良い物が埋もれていると感じた。国産の羊肉を食べる機会があり、おいしさに感動して『どうしてこんなにおいしいものが埋もれてしまっているのか』『羊肉の国内消費や国産羊肉を増やしたい』と開店を決めた」と話す。羊は本来廃棄となる米のもみ殻やワイン造りで出るブドウの搾りかすを餌として育て、肉は食用に、羊毛は衣類にも使え、たい肥も活用できる。サステナブル性も決め手となったという。
メニューは「国産外国産肉食べ比べコース」(1万2,500円)、「外国産羊肉食べ比べコース」(7,500円)のほか、「国産成吉思汗(ジンギスカン)セット」(3,500円)、「埼玉県産の朝採野菜」(400円~)など一品から注文できる。国産羊肉は北海道産、外国産羊肉はオーストラリア産を中心に、日によって産地の異なる羊肉を提供する。ドリンクメニューは「イチローズモルト」(秩父市)などのウイスキーやビール、ワイン、焼酎、日本酒、「焦がし屋武一」(熊谷市妻沼)のほうじ茶も用意。杉山さんは「羊肉はくせがなく個体ごとに味が違うので食べ比べてみてほしい。独自にブレンドした塩で肉の味を楽しんで」と話す。
「景観美」を意識した店づくりが特徴。外から盆栽やカウンターが見え、旧家の蔵から引き取ったという鉄の蔵戸が目を引く。薬だんすやアンティークの椅子など日本の古家具をディスプレーする。吉野さんは「店内のインテリアや食器は100年以上前のもの。それぞれストーリーがあり店の雰囲気を演出している。特別な日やおもてなしに、上質な羊肉と空間を味わってもらえたら」と笑顔を見せる。
営業時間は17時~翌1時。