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熊谷・問屋町祭りで防災散歩イベント 親子でフィールドワーク、意識高める

「浸水したら水の深さがここまで来るよ」とメジャーで示す様子。腰上まで埋まる子どもは驚き顔を見合わせる親子も

「浸水したら水の深さがここまで来るよ」とメジャーで示す様子。腰上まで埋まる子どもは驚き顔を見合わせる親子も

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 防災を啓発する参加型イベント「てくてく防災さんぽ@問屋町」が9月4日、熊谷流通センター「ソシオ熊谷」(熊谷市問屋町)で行われた。

初開催の「てくてく防災さんぽ」。7組20人が参加した

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 地元企業や商店が参加して地域住民と交流する「問屋町祭り」の一環。これまでも祭りを通じて「安心・安全なまちづくり」をPRしてきたが、コロナ禍の影響で3年ぶりとなる祭り開催に合わせて、熊谷地域から災害意識を広めようと小学生親子を対象にフィールドワークイベントを企画した。協力・監修は立命館大学歴史都市防災研究所。

 当日は7組20人の親子が参加。流通センター敷地内のチェックポイント「組合会館」「歩道と車道の段差」「溝・マンホール」「共同物流センター」「水田」「遊水地」を歩いて回りながらメモを取り、「危ないと思った場所」「魅力的な場所」などを、写真や文字、シール、付箋を貼り付けてマップを作った。

 フィールドワークでは、歩道が崩れている所や水路の水かさを示す表示位置など、災害時にはどんな可能性があるのか想像しながら歩く一方、水田で立ち止まって風になびく稲を眺め、カエルを見つけたり、虫の音を聞いたりと自然の豊かさを確認した。立命館大学 文学部地域研究学域地理学専攻の村中亮夫准教授は「荒川や利根川の恵みが熊谷地域の暮らしを育んでいる。自然の恩恵と脅威は表裏一体。危険な場所を知り対応を考えておくとともに、良いところを見つけて地域愛にもつなげていくことが大切」と説明した。

 参加した男子児童は「危険な場所を見つけて気を付けたいと思った、フェンスが壊れている部分も危ない」と話し、父親は「ハザードマップの見方が分かり、参加して良かった。防災について意識するきっかけになった」と話していた。

 企画担当した問屋町祭り実行委員会の古屋瑞起さんは「知識として知るだけでなく、フィールドワークで実際に体験し想像したり考えたりして、地図に落とし込んだことで大きな理解につながったはず。今後も参加型の防災体験機会を増やし、熊谷市や埼玉県を災害に強いまちとしてPRしていきたい」と話す。

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