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熊谷市で「フードドライブ」活動広がる 小中学校、幼稚園でも

これまでに開催した学校や幼稚園。上段左から富士見中、三尻小、太田小(昨年度妻沼小)、中条小、男沼小、星宮小、長井小、妻沼南小、熊谷西小、別府小、石原小、佐谷田小、桜木小、熊谷南小、立正幼稚園、大幡小の校長。この他に秦小、吉岡小、奈良小でも実施。今後予定している学校も

これまでに開催した学校や幼稚園。上段左から富士見中、三尻小、太田小(昨年度妻沼小)、中条小、男沼小、星宮小、長井小、妻沼南小、熊谷西小、別府小、石原小、佐谷田小、桜木小、熊谷南小、立正幼稚園、大幡小の校長。この他に秦小、吉岡小、奈良小でも実施。今後予定している学校も

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 熊谷市内の小中学校、幼稚園などで現在、フードドライブの活動が広がっている。

各校で行われたフードドライブの様子

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 フードドライブは家庭にある賞味期限内の未開封食品などの寄付を募る取り組み。ひとり親世帯や困窮世帯を対象に食材や日用品を配るフードパントリーの活動につながり、フードロス対策の一環も担っている。熊谷市内で子ども食堂「熊谷なないろ食堂」を運営するNPO法人「SK人権ネット」が同市役所やファミリーマート石原店、万平町店の協力で定期的に行ってきた。

 きっかけは今年1月、以前から同NPOの活動に関わっていた市立富士見中学校の小山亘教諭が、「学校でもフードドライブができたら」と橋本雅之校長に提案したことから。「ぜひ協力しよう。やってみなくては分からない。とにかく始めてみよう」と即決した橋本校長が周囲に開催告知したところ、市内の校長や学校関係者から「自分の学校でも始めたい」「方法を知りたい」と反応があり、9月15日現在、市内小中学校19校、幼稚園1園が開催するまでに広がった。

 市立富士見中学校では、校内の目立つ場所に60リットルのコンテナボックスを4台設置。各家庭へプリントやメールで知らせ、期間中は毎日校内放送でフードドライブについて説明した。開催期間約1週間で集まったのは日用品が21.5キロ、食料品は44.8キロ。小山教諭は「生徒たちは、初めは何を入れたら良いのかと不思議そうに中を見ていたが徐々に集まり、終了時はケースからあふれるほどだった」と振り返る。橋本校長は「ノート一冊、消しゴム1つで誰かの役に立つ行動。コロナ禍でさまざまな環境の変化があり、子どもたちはいろいろなことを感じている。1人ひとりがいま自分にできることを考えて活動に参加してくれた。素晴らしいと思う」と話す。

 市立三尻小学校の長谷川雅夫校長は「橋本校長とは旧知の仲。内容を聞いてすぐに、小中で連携して広めていこうと話した」と振り返る。同校は「毎月開催することで、活動を定着させたい」と1月から毎月開催(8月を除く)している。長谷川校長は「食品の無駄を減らして寄付する。もったいないをありがとうに変える活動が広がれば。子どもたちは活動を通じて誰かの役に立つという心が育っている」と目を細める。

 集めているのは米や麺類、缶詰、瓶詰めなどの保存食品、インスタント、レトルト食品、乾物、調味料、食用油などの他、文房具、洗剤など。同NPO代表理事の山口純子さんによると、現在同食堂のフードパントリーに登録する世帯は130世帯。コロナ禍の影響もあって困窮支援が必要になっているという。山口さんは「教育の場である学校が、連携して取り組んでくれるのはとても心強い。子どもたちには、フードドライブもこども食堂、フードパントリーも、特別な何かじゃなくて地域に当たり前にある物だって思ってほしい。困っている時はお互いさま。皆が助け合える世の中になれば」と話す。「フードドライブは常時、子ども食堂でも受け付けている」とも。

 同NPOのフードパントリー利用は登録制。申し込みは熊谷なないろ食堂(TEL 048-577-8578)まで、SNSのダイレクトメッセージも受け付ける。

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