新井英範さんの写真展「巌窟ホテル」が10月11日、八木橋百貨店(熊谷市仲町)カトレアホールで始まった。
新井さんは熊谷市在住の写真家。1978(昭和53)年に国指定史跡「吉見百穴(よしみひゃくあな)」近く、武蔵松山城跡の麓にある人工の洞窟「巌窟(がんくつ)ホテル」を撮影して高い評価を受け、これまで東京・福岡・熊谷で個展を開催。2021年に写真集「巌窟ホテル」を発行している。
会場では黒パーテーションに作品41点をオリジナルプリントで展示。洞窟の入り口から道案内をするように作品が並び、撮影当時の洞窟内部の世界観を表現する。新井さんは「巌窟ホテルは一農民の高橋峰吉さんが見続けた夢の館。1904(明治37)年から21年間かけて、1人の人間がのみやつるはしで掘り進めた。今は閉鎖してこの姿を見ることはできないが、地元熊谷で多くの人に見てもらえることに感謝したい」と話す。「印画紙に焼き付けた銀塩写真から、洞窟の暗さや霧が立ち込めた湿度など、写真集では味わうことができない黒の質感や色の深さを感じてもらえれば」とも。
会場ではスライドショーの鑑賞コーナー、「あなたも巌窟掘ってみる?」と題して作業に使われたのみやつるはしなどのレプリカを用意するフォトスポットを設置。「巌窟ホテル」写真集(8,800円)のほか、「巌窟Tシャツ」(2,500円)、「巌窟缶バッジ」(200円)などのグッズも販売する。
開催時間は10時~18時30分。入場無料。今月16日まで。