オペラ「ヘンゼルとグレーテル」と喜劇「ジャンニ・スキッキ」の公演が12月24日、熊谷文化創造館さくらめいとで行われる。主催は熊谷出身でバリトン歌手の原田勇雅さんが代表を務める芸術集団、「ムジカルダ」。
オペラ「ヘンゼルとグレーテル」の練習風景。魔女(鳥木弥生さん)と魔女の手下(熊谷高校音楽部)
オペラ「ヘンゼルとグレーテル」は、誰もが知っているグリム童話を元にした全3幕の物語。森に迷い込んだヘンゼルとグレーテルが、たどり着いた「お菓子でできた家」で魔女と出会う。歌とオーケストラによる美しい音楽と耳なじみのあるメロディーで欧州ではクリスマスオペラとして親しまれている。日本語訳詞上演。プッチーニ作曲の喜劇「ジャンニ・スキッキ」は遺産相続を巡る争いと若い男女の恋を原田さん演じるジャンニ・スキッキが知恵で解決する物語。有名な独唱曲「私のお父さん」はジャンニ・スキッキの娘が好きな人を思う気持ちを父へ訴える。イタリア語原語上演(字幕付き)。
国内外で活躍するオペラ歌手が参加するほか、原田さんが音楽監督を務める熊谷少年少女合唱団と県立熊谷高校音楽部のメンバー、熊谷市にゆかりのあるアーティストなども出演する。「第一線で活躍するプロの音楽家と学生が共演する機会になっている。芸術や音楽を愛好し、表現することの楽しさを感じてほしい」と原田さん。同少年少女合唱団フィオーレの団長・関音葉さんは「合唱団の役は魔女に魔法でお菓子にされてしまう役。歌だけなく表現が難しくて考えながら練習した。皆、役になり切っている。表情や動きで表現しているところを見てほしい」と意気込む。部員6人が魔女の手下役で出演する熊谷高校音楽部顧問の蓮大二郎教諭は「稽古前は不安だったが、原田さんや他の出演者の皆さんからアドバイスしてもらい、表現力を学ばせてもらって、生徒たちはどんどん上達している」と話す。「普段は少人数で活動が狭くなりがちだが、稽古での表情はすごく楽しそう。演技や歌で喜んでもらえると感じている」とも。
地元熊谷で「クリスマスにはオペラを」「熊谷を音楽の街に」と活動するムジカルダのオペラ公演は、一昨年と昨年に続き3回目。文化庁採択事業として小学生~18歳以下限定で無料招待席を用意する。原田さんは「本当に素晴らしいキャスト、オーケストラの方がそろった。家族を描いた2つの作品を、子どもから大人まで、家族一緒に見てほしい」と来場を呼びかける。
14時開場、14時30分開演。チケットは全席指定8,000円。問い合わせはムジカルダ事務局(TEL 050-3567-7067)まで。