行田こども居場所ネットワークが2月25日、設立記念イベント「こどもまんなかEXPO 2024」を行田市教育文化センターみらい、中央公民館(行田市佐間)で行った。
左上からリユースイベント「おさがり沼」、投票コーナー、大人も子どもも自由に参加していた塗り絵、「カレー・唐揚げ弁当」
行田こども居場所ネットワークは、行田市にある子ども食堂やフードパントリー、学習支援、子どもの居場所などの運営者が協力してさまざまな課題解決への取り組みを進める地域ネットワーク団体。昨年10月の設立を記念して、「こども食堂を知らない子どもたちに、活動を体験してもらい、スタッフと交流することで、こども食堂になじんでもらう機会を作ろう」とイベントを企画した。
会場では、数量限定で「カレー・唐揚げ弁当」(大人=300円、高校生以下無料)を販売し飲食場所や子どもの遊び場を用意。子ども用品全般のリユースコーナー「おさがり沼」や、ホワイトボードに「行田がこどもまんなかになるためには?」とアイデアを書き出して参加者が「そうだ!=共感」をシールで示す投票コーナー、同ネットワークに加盟する8団体のパネル展示も行った。「こども食堂と地域社会の連携の重要性」をテーマに、社会活動家で東京大学先端科学研究センター特任教授、認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長の湯浅誠さんが講演を行った。
当日は雨にもかかわらず、受け付け開始直後から家族連れや地域住民、図書館に来ていた親子、子ども食堂に関わりたいという人などが訪れて、食事したり子どもと塗り絵を楽しんだりしていた。パネルの前で活動内容を聞いていた女性は「子どもだけでなく大人も利用できると知り、これは近くの人にも教えたいと思った。自分に子ども食堂の手伝いができるのかどうか分からないが、今度行ってみようと思う」と話していた。
講演を聴いた女性は「居場所作りをしたいと思ってきたが、講演で居場所は本人が決めるもので第三者が決めるものではないという話がありハッとさせられた。拠点先が居場所となるには、誰かに見てもらえている、受け止められている、尊重されている、つながっていると感じられる関係性が大事だと気付かされた。地域社会の中で子どもを含めた 居場所についての考え方が深まった」と話す。
同ネットワーク代表の野口智子さんは「企画提案から今日まで短期間で実現できたのは皆さんのおかげ。お弁当作りも完璧な連携プレーで、ネットワークを作って良かったと実感した。予想以上に話を聞けて良かったとの声や活動に関わりたいという声を受けて、行田を支えていくという思いも受け取れた」と笑顔を見せる。「これまではそれぞれ単体で活動していたため顔が見えなかったが、ネットワークで顔が見える交流ができるようになり活動が加速した。ネットワークで情報を共有して連携強化を目指したい」とも。