
埼玉パナソニックワイルドナイツが8月25日、さくらオーバルフォート(熊谷市上川上)で2025-2026シーズンに向け全体練習を始めた。
クラブハウス前に広がるグラウンドで行われたトレーニング。円陣を組むメンバー
活動拠点を熊谷に移して5シーズン目を迎えるワイルドナイツ。昨シーズンはレギュラーシーズン2位でプレーオフ進出を果たしたが、決勝進出を逃し最終順位は4位だった。今シーズンは、これまで長年指揮を執ってきたロビー・ディーンズ前監督がエグゼクティブアドバイザーに、ヘッドコーチ(HC)にこれまでバックス(BK)コーチを務めてきた金沢篤新監督が就任した。このほか、元日本代表でチームメンバーの堀江翔太さんがアンバサダーからフォワード(FW)コーチに、現在女子日本代表コーチを務めるベリック・バーンズさんがバックス(BK)コーチに加わる新体制でスタートする。
この日は日本代表メンバーと留学中メンバーを除く36人の選手が練習に参加。約1時間のメニューに取り組んだ。金沢HCは「選手たちは皆、非常に良い準備をしてきてくれた。初日からかなり激しいコンタクト練習もあり、熱量を感じた」と目を細める。「強豪チームを率いる責任を感じると同時にそれも楽しみたい」とも。昨シーズンについては、「プレーの質や一貫性が失われた瞬間に勝機を逃した。今のリーグワンは競争力が高く、少しでも質が落ちれば負けてしまう。いかにシーズン通して質と一貫性を担保できるかが鍵になる」と分析。練習前のミーティングでは「(プレー面で)数少ないチャンスを保守的にならず、取りに行く勇気を持つこと」を伝えたという。「ワイルドナイツは主体性を持った選手たちが集まるチーム。文化を尊重し、自分なりのコーチングでチームを引っ張っていきたい」と意気込む。
堀江コーチは「これまでの経験を生かし、リアルタイムで的確なアドバイスをしたい。外から練習を見ることで、より端的に伝えることができる。自分が現役時代に受けたかったアドバイスを実践することで選手の個性を伸ばしていきたい」と話す。
昨シーズンリーグワン公式戦デビューを果たした谷山隼大選手は「試合に出ることで自分の通用する部分と課題が明確になり、ファンの期待を実感できた」と振り返る。「一試合でも多く公式戦に出場することが目標。得意なハイボールキャッチや運動量でチームの優勝に貢献したい」と意気込む。
坂手淳史選手は「(個人では)シーズン終了後の約2カ月間、集中的にトレーニングを行い、体調、体重、体脂肪など過去最高のコンディション」と話す。「一貫性のあるプレーを目指し、プレッシャー下でも自分たちのラグビーを貫きたい。相手にプレッシャーをかけ続ける『怖いラグビー』を目指す」と力を込める。
熊谷を拠点とする同チームは、日々の練習を一般公開する珍しい環境を維持しており、地域のファンとの近さも強み。坂手選手は「ファンとの距離が近いのはラグビーの魅力。僕らのプレーを見てもらって元気になってもらえたら。皆さんの応援で選手も元気になると思うので、これからもお互いにエネルギーを生み出せる関係を築いていきたい」と話す。
NTTジャパンラグビー リーグワン2025-2026シーズンは12月13日に開幕。ワイルドナイツはディビジョン1で、東芝ブレイブルーパス東京、静岡ブルーレヴズ、横浜キヤノンイーグルス、三菱重工相模原ダイナボアーズ、浦安 D-Rocksと同じカンファレンスAに入っている。