
星川イラストマップ作成委員会が現在、「星川ふーらりイラストマップ」を熊谷市内で配布している。
「さがしてみよう北条堤と旧中山道と一番街」「熊谷川沿いお散歩マップ」など唐崎さんの作品が並ぶ八木橋百貨店8階の休憩スペース
JR熊谷駅から回遊式庭園「星溪園」(熊谷市鎌倉町)までの星川周辺エリアを対象に、手書きイラストで、店や史跡、隠れた見どころなどを紹介する同冊子。
デザインを手がけたのは、熊谷市出身在住のデザイナー・唐崎瑞穂さん。唐崎さんは以前から、熊谷銘菓・五家宝を多角的に読み解いた「熊谷帖」の出版や、地域の歴史や文化をテーマにしたまち歩きツアーの開催など、熊谷の魅力を掘り起こし発信する活動を行っている。今回は、9月に始まった星川周辺の企画と連動して、ふーらりマップを製作した。
A3サイズ観音折りで両面カラーの同冊子。内側はイラスト地図で、飲食店や商店のほか、許可を得た個人宅や普段は通り過ぎてしまうような小道まで描き、長年住んでいる人でも新たな発見があるような情報を掲載する。唐崎さんは「このイラストマップで紹介している場所は地元の皆さんの生活の場でもあります。まちを歩くときは、そこにお邪魔しているという気持ちを忘れずに」と注意書きを添え、散策時のマナーを呼びかける。
表紙にある、原稿用紙に万年筆で書いたような一言「旅は目的がないほど良い」は、熊谷市出身の作家・森村誠一さんの言葉。唐崎さんは「この地図で熊谷のことをもっと好きになり、この地図をきっかけに、自分だけのお気に入りの店が見つかれば」とほほ笑む。
表紙を広げると「星川の歴史」、裏表紙には「まちなかの彫刻を見るヒント」として、市内に点在する銅像の楽しみ方を解説する。市外から訪れたという女性は「川の周辺を歩いてみたくなるマップ。人や建物などの絵とか、地蔵尊や蔵の説明書きなど、どれもやわらかくて丁寧」と話していた。
単なる場所の案内だけでなく、「熊谷染型紙タイル」「左官仕上げの看板文字」「屋敷神」「風情のある建物」「うどん提供店」「喫茶店」など凡例にはそれぞれに解説文を添え、地域の文化や歴史を深く知ることができる。「星川といえば・・・湧き水?荒川の水?」など現地に足を向けさせるクイズもあり、散策をより一層楽しませる工夫が凝らす。
発行部数は6000部。現在、掲載各店のほか、熊谷市役所、熊谷駅観光案内所、星溪園、八木橋百貨店、くまぴあ、荻野吟子記念館などの公共施設や商業施設に設置している。