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熊谷市役所6階に「くまっこるーむ」 妊娠期から子育て世代まで支援連携

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 熊谷市役所本庁舎(熊谷市宮町、TEL 048-524-1111)6階に同市子育て世代包括センター「くまっこるーむ」が開設して3カ月がたった。

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 妊娠期から子育て世代まで、さまざまなニーズに対応する総合窓口として切れ目のない支援サービスの提供を目的に開設された同センター。同市役所6階北側の一角と母子健康センター内の2カ所で開設している。

 これまで市内16カ所で行っていた「母子健康手帳の交付」を同センターの2カ所に集約して交付するほか、妊娠期から子育て期に渡り総合的な相談支援を提供する。同市ではこの他、利用者支援事業、産後ケア事業、子育て応援団講演会の開催など、子育て中の親子を地域全体で応援する取組を行っている。

 同市福祉部こども課の大熊宏之さんは「市民協働の考え方に基づき、妊娠から産後までを中心に『母子保健コーディネーター』へ、子育てを『子育て支援コーディネーター』へ、それぞれの支援に取り組み実績のある2団体へ委託することで、専門的で豊富な経験に裏づけされた、きめ細かなサービスが提供できる」と話す。

 同市では母子健康手帳交付時に全ての妊婦に面接を行い、支援台帳を作成。継続して支援が必要な場合は関係機関と連携し、具体的な支援プランを作成している。

 母子保健コーディネーターの中島桂子さんは「アンケート形式で母体の健康状態や日常生活のことなどを聞き、支援できることがあれば提案している。利用者さんは妊娠期の不安など話しているうち『あ、そういえば』とちょっとした悩みや困りごとを話してくれる方が多く『今まで誰にも話せなかった』と涙ぐむ人もいる」と話す。「妊娠期に限ったことではなく女性の不安や悩みはそれぞれ違い、打ち明ける相手や話す機会が求められていると感じる」とも。

 センター開設から300以上の母子健康手帳を交付した同センター。利用者からは「丁寧に聞き取りしてもらってよかった」「不安が解消できた」という声があった。中島さんは「市役所の中にあるため、子育て以外のことも他の部署と迅速に連携できる」と話す。

 子育て支援コーディネーターの黒澤稔枝さんは「熊谷は地域子育て支援拠点が19カ所ある。中学校区に1つなので、子育てで不安に思ったとき、誰かに共有したいときに自転車で行ける距離。子育て中のママやパパだけでなくおじいちゃんやおばあちゃんにも利用してもらい、公園や昔でいう『たまり場』のように集いの場として足を運んでもらいたい。子どもにとって良い影響も良くない影響も必要なこと。多世代で関わることで子どもは育つと思う」と話す。「今はSNSで情報集めをしているママも多い。『誰かと関わるのは面倒』『周囲に合わせられなかったら』と不安になるかもしれないが、コミュニケーションは子育てにも大切なこと。子育てをきっかけにしてみては」とも。

 同センターで母子保健コーディネーターと一緒に活動することについて、黒澤さんは「保育士として専門知識と長年の子育て支援経験のノウハウはあるが、以前から『子どもが産まれる前からママを支えたい』と考えていた。ママ1人で子どもを育てるのではなく周囲の皆が関わり支えることができると提案したい」と意気込む。「助産師の皆さんと一緒に、妊娠期~子育て期と世代を超えてどんなサービスが提供出来るのか模索している」とも。

 開設時間は8時30分~17時15分。土曜・日曜定休(市役所本庁舎は土曜開庁日も1階で開設)。

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