立正大学熊谷キャンパス(熊谷市万吉)で3月11日、農業遺産認定を目指す「比企丘陵農業遺産推進協議会」応援フォーラムが開催された。
比企丘陵農業遺産推進協議会は県中央部の比企丘陵地域で営まれる「ため池農法」を維持・継承しようと滑川町を中心とした3市5町が2017年に設立。2018年6月には日本農業遺産登録申請を行う予定という。
この日は、上田清司埼玉県知事が基調講演「今、甦る埼玉の強さ」を行い、「現在の埼玉県は交通インフラが整っており人口増加率やGDP増加額で上位。日本産業を歴史的にみると稲作農業で栄え、重工産業時代は港があるところが栄える。いま人の生き方が変わってきており自然も資源も有限であることから持続可能性の高い社会を作っていくべきという生き方や生活のあり方が求められ、田舎暮らしなどが注目されてきている。今後埼玉の強さが注目証明されていくことが多くなる」と話した。
その後、東京大学大学院工学系研究所の知花武佳准教授ら4人が、ため池周辺の地形や維持管理してきた文化が同時に生態系も維持してきた経緯などを説明した。
比企丘陵農業遺産推進協議会幹事会の杉田茂実幹事は「風土、ヒト、モノ、生きもののエコシステムで守ってきた文化を維持するためにも農業遺産登録申請を利用して共に創っていきたい」と意気込む。