熊谷の八木橋百貨店(熊谷市仲町、TEL 048-523-1111)で6月7日から、第2次世界大戦中、ナチス・ドイツのユダヤ人強制収容所に収容されていた子どもたちの絵を集めた「テレジン収容所の幼い画家たち展」を開催する。
1991年4月、作家・エッセイストの野村路子さんが同百貨店をはじめ全国23カ所で巡回展示した同展。反響を呼び、全国各地で200回を超える展覧会が開かれている。熊谷では27年ぶりの開催となる。
絵を描いたのは、プラハの北、アウシュビッツへの中継地「テレジン収容所」に収容されていた1万5千人の子どもたち。飢えと寒さ、親から離れた淋しさ、死の不安、ひどい境遇の中で子どもたちは絵を描き、詩を書いた。ドイツ敗戦後、同収容所跡から見つかった絵は4千枚、生きて開放の日を迎えられたのはわずか100人だったという。
展示内容は、写真パネルや写真資料など約160点。展示期間中、9日には野村さんの「お話」、10日には詩人、中原道夫さんの「朗読」を企画、各日ギターと歌のミニコンサートも予定する。
同店販売促進部の宮地豊さんは「2度と繰り返してはいけない戦争の悲劇、今こうして平和を享受できることを幸せに思い、『明日は良い日が来る』と信じ描いた子どもたちの作品をぜひ見てほしい」と来場を呼び掛ける。「初回開催時に絵を見た子どもたちは親になり、また次の世代に語り継いでもらいたい」とも。
開催時間は10時~19時。最終日は17時まで。6月12日まで。